きっと、夏のこと

久しぶりに訪れた静寂に、私は少しほっとしたように深呼吸した。

担当する歌詞にじっと目を通す。



もう会えない人、どんなに頑張っても追いつけない、あの人に向けた歌詞。



「こんな歌詞だったっけ」


思わずつぶやいた。初めて見つめる文章がそこにあった。





帰ってきた先輩は、休みなって言いながら飲み物を差し出してくれた。

いつも買わない、紙パックのイチゴミルク。


「彼女にいっつもお願いされるからつい買っちゃったんだよね」


照れくさそうに言う先輩は、ちょっとだけ可愛く見えた。