「もしもし、大野ですけど。」
電話が繋がると凛はすぐにそう名乗った。
『あ、えっと、鬼塚先生ですか??』
学校一怖いと有名な体育教師・鬼塚に間違えられて、凛はムッとしながら「違いますけど。」と返した。
それから受話器の向こうがやけにキャッキャとうるさいことに気がついた。
「…先生、女の子に囲まれてるんですね。」
苦笑をする凛の言葉を無視して、『はい、すぐ行きます!』と御堂が言うと、ぷつりと切れた。
御堂先生ってすんごいな。
いついかなる時でも囲まれてるんだ。
ここだけが校内で唯一、先生が1人になれるところなんだろうな。
常人には理解できない感覚だけど、きっと先生にとってこの場所は大事な空間なんだと思った。
