御堂先生は溺愛中


「俺、ちゃんと大野さんのことが好きだよ。」





凛をまっすぐ見つめてそう言うものだから、凛は恥ずかしくなって思い切り横に顔を逸らした。



家族以外の異性から、聞いたことのないその言葉に、凛は顔を赤くして硬直した。



「この間は、ちゃんと言えなかったからさ。」



そう付け加える御堂に、凛はどうしたらいいのか分からなくて黙ってしまった。



「でも大野さん、俺が一応英語のクラスを担当してるし、去年だってちょこっと話すこととかもあったのに、名字すら覚えてないんだもん。」



「ゔ…。」



「俺、そこそこ珍しい名字だと思うのにな。」



わざと寂しそうに言う御堂に、凛は「だ、だって!」と反論した。



「だって、先生はみんなに謙ちゃんって呼ばれてるし、あの、図書室で会った時は、まだ担当し始めの時で名字覚えてなかっただけですもん…。」



そう言ってふくれつらを見せる凛に、御堂はいたずらっ子のような笑顔を浮かべた。



「大野さんも謙ちゃんって呼んでいいんだよ?」



「や!先生いっつも『御堂先生、ね。』って訂正してるじゃないですか!」



「大野さんなら、いいよ。」



「…〜〜!!」



揶揄っているのか本心なのか、受けたこともない扱いを御堂から受けた凛は、何か言い返す代わりに御堂を睨んだ。



そんな凛を御堂は笑って交わした。