御堂先生は溺愛中



あの日も、今日と同じように暖かい春の風が吹いていたなあ。



教室の窓際の席、心地よい日差しを浴びてうとうとしながら凛はそう回想に耽っていた。





あの後、お兄さんは一度も会うことなくこっちに転校してきたんだった。



もう昔の出来事すぎてお兄さんの顔すら鮮明には思い出せなくて、ぼやけた笑顔が浮かぶだけ。



それでもまだあの時のときめきは忘れられなくて。



高校2年生になった今でも誰も好きになることができないのは、幼い頃にクラスの男の子から投げられた心無い言葉のせいでもあるけど、



私を心から愛してくれるのは、あのお兄さんだけなんだって、今もお兄さんの姿を探してしまう、馬鹿な自分のせいでもある。