「ええ…。」
想像以上の不正解の多さに、御堂は戸惑いの声を漏らした。
それと同時に、昨年のいつだったか、英語の補習に凛がいたことを思い出した。
その時よりも前から、大野さんとはたまに廊下ですれ違っていたのに、
他の女子生徒とは違って、大野さんは俺の方を見向きもしなかった。
今思えば最初から俺に興味なさそうだった。
そんな大野さんが逆に気になってしまったんだ。
そっか、大野さん、英語苦手なんだ。
クールそうに見えるのに、そんなところも、ずるい。
御堂はふふっと笑い声を漏らした。
それから徐に付箋を取り出した。
流石に、一線を越えてるか…?
いや、別に何も悪いことをしているわけじゃない。
これは教師として大野さんのことを思ってすることなんだ。
御堂は自分に言い聞かせるように心の中でつぶやいた。
それから御堂は意を決して付箋に何か書き出して、大野のテストの答案用紙に貼り付けた。
それが、教師として踏み越えてはいけない一歩だと、
御堂は分かっていても、もう止められなかった。
