「まあ、ずっとってことはそうかもしれないね。」
お兄さんの残酷な正論に、私はついに泣き出しそうになった。
そんな私を見かねたのか、お兄さんは慌てた様子で口を開いた。
「だ、大丈夫!僕が将来お医者さんになって、そしたらその傷が綺麗に消えるような治療をしてあげるから。」
そう自信たっぷりに言うお兄さんに、それはあと何年待てばいいのかと考えると気が遠くなった。
「…そうじゃなくても、きっとその傷ごと愛してくれる人に出会えるから大丈夫。」
柔らかく笑うお兄さんに、どきりとした。
「…お兄さんは?」
「え?」
「お兄さんは、傷ごと好きになってくれるの?」
お兄さんをじっと見つめながらそう言うと同時に、屋上の扉がガチャリと開いた。
ドアの方を見ると母親が慌てた様子でこちらに向かってきていた。
「あ、いたいた。もう検査の順番きちゃったから戻るよ!」
「え、ちょっ、」
まだお兄さんと話していたかったのに、返事も聞いてないのに、母親は私の手を強引に引っ張った。
戸惑いながら母親に連れられて屋上を後にしようとしたところで、
「もちろん!」
爽やかな声が屋上に響き渡った。
