「風邪ひいちゃうよ。」 その時後ろから声が飛んできた。 私はびっくりして裾を掴んだまま振り返った。 「お腹、冷えちゃうでしょ。」 そこには高校生ぐらいのお兄さんが立っていた。 お兄さんはお腹を見ても表情を微動だに変えずにそう言った。 「…この傷、もうずっと消えないんだって。」 「そうなんだ。」 「わたしが大人になってけっこんする時も、消えないのかなあ…。」 そう言いながらどんどん目に涙がたまる。