御堂先生は溺愛中


「うー、疲れた!」



50分の授業の2コマ目が終わると、凛は大きく伸びをした。



1日で英語を勉強したのはこれが初めてで、さすがに疲れが溜まった凛は、のろのろと帰る支度を始めた。



「お前、もう帰んの?」


「え?うん。私英語だけしか取ってないから。」


「…まじかよーずりー。俺まだ数学もあんだけど、今日。」



海斗はそう言いながらぐでんと机の上に体を預けた。



「てか、英語だけなら御堂に教えて貰えばいいじゃん。」



海斗は顔だけこちらに向けて言った。



「先生だって忙しいでしょ。」



凛はそう言ってトートバッグを背負った。



「お前にだったら犬みたいに尻尾振って教えてくれんじゃねえの?」



「私が嫌なの。先生の力を借りずに頑張りたいからさ。」



そこまで言うと、凛は「じゃあ。」と言って教室を後にした。



海斗の言う通り、御堂先生は私がお願いすればいつだって教えてくれる。…多分、冬休みだって。



でも先生に力を借りないって決めたのは私だから。



頑張らないと。




…………っていうか犬みたいって何!?




凛は今更そう心の中でツッコミを入れながら、帰路についた。