「早いね。」
凛が考え事をしているところに、上からよく聞いた声が降ってきた。
「先生こそ、早いですね。」
時計は19時の15分前を指している。
「ちょっと、早く終わったからさ。はい。」
御堂はそう言うと、凛の目の前に缶のカフェラテを差し出した。
「ありがとうございます…。」
凛はそれを受け取ると、手のひらがじんわりと暖かくなった。
「待たせちゃってごめんね。」
そう言いながら隣に腰をかける御堂に、凛は「いえ!勝手に早くきただけなので。」と返して缶のプルを開けた。
それからふうっと、息を吐き出して熱を覚ますと、一口こくりと飲んだ。
胸の中にまで広がる暖かさは御堂の優しさのようで、凛は目尻をじんわりと滲ませた。
