御堂先生は溺愛中


「ねー、謙ちゃん、うちらと写真とろー?」



凛が御堂に声を掛けようとした瞬間、御堂は横から来た女子生徒たちに声をかけられた。



「…っ。」



ああ、ついてないというか、タイミングが悪いというか。



凛は空気が抜けたみたいに項垂れながら、御堂に背を向けた。




「大野さん?」



凛が自分に話しかけようとしていたのに気づいていたのか、他の女子生徒たちを無視して御堂は凛の名前を呼んだ。



「…。」



凛は何も言えずに、ただ無言でその場を去った。




もう、自分って何で素直じゃないんだろう。



先生がせっかく話しかけてくれたのに、



他の女の子に囲まれてるんだから、私なんかが話しかけちゃダメだって卑屈になって勝手に傷ついてる。



そう思うと先生の周りを囲っている女の子たちはいつも堂々としていて、周りの目とか気にせずに話しかけてて、



あんな勇気がある人間に私もなれたらいいのにな。




そう女子生徒たちを羨みながら、駅までの道を歩いていた。