御堂はそのまま図書室を後にすると思いきや、凛の近くの椅子に腰掛けた。
凛は御堂の行動に内心驚いて、彼の方に視線を移した。
「いやあ、図書室は追いかけてくるような騒がしい生徒がいなくていいなあ。」
しみじみと言う御堂の言葉は、凛にとっては遠い世界線の話で「はあ。」と返すので精一杯だった。
私なんて、人生で追っかけられたことなんて一度もないし、きっとこれからもない。
「モテる人は大変ですね。」
そう同情を込めて言うと
「まあ、そうかもね。」
と御堂は笑って、その後すぐに真剣な表情に変わった。
「でも、大勢にモテても、好きな人1人に好かれなきゃ意味がないんだけどね。」
そう呟く御堂の姿はどこか切なげで、凛は見惚れてしまった。
まるで映画のワンシーンみたいで、顔がいいとただ喋ってるだけでも様になるんだなあと感心した。
