御堂先生は溺愛中


数年前の春、小学生3年の頃。



病院の屋上のベンチは私が入院していた時からの特等席で。



退院した今も病院に来るたびにここにきて、ぼーっと考え事してた。



その日は最後の検査で、何事もなければもうしばらく行くことはないと言われた。



俯きながらさっき病室で交わされた言葉を頭の中で反芻させる。




『この傷って、治らないんですか。』


意を決してそう聞く私に、主治医は苦笑いを浮かべて言った。


『すぐには無理だけど、いつかは薄くなるよ。』



正直すぎるその言葉に私は悲しくなって俯いたんだ。



すぐに治らなきゃ意味ないんだ。



だってそうじゃないとクラスの男子にずっと弄られる。



いつか薄くなるって、そのいつかっていつなの?



私は恐る恐る服をたくしあげてお腹の傷を見た。



手術してから結構経ったはずなのに、手術した日からちっとも変わってないように思えてため息をついた。