「え、これ…。」
私がよく飲んでるオレンジジュースだ。
「あげる。」
「え?」
なぜ御堂が自分にジュースを差し出したのか分からない凛は、戸惑いの色を浮かべながら彼を見上げた。
「この間、俺を匿ってくれたでしょ?」
「匿ったっていうか…。」
あの時は勝手に先生が隠れてただけだし、謙ちゃんが誰のことなのか分からなかったし、私は何もしていないのに。
凛がそうぐるぐると考えていると、
「いいから受け取って。俺、オレンジジュース飲めないし。」
御堂はジュースのパックをさらに凛の方へ差し出した。
私がオレンジジュース飲めなかったらどうするつもりだったんだろう。
変なとこで賭けにでるなあ。
凛はそう呑気に考えながら、「ありがとうございます。」と素直に受け取った。
そんな凛を見て、御堂は満足げに「どういたしまして。」と返した。
