「謙ちゃんおはよー!」
次の日の朝。
御堂は一睡もできないまま出勤すると、早速女子生徒たちに声をかけられた。
今日ばかりはその甲高い声に眉を顰めた。
「おはよう。」
そう返す御堂の声は明らかに不機嫌そうで、周りの生徒たちは「体調悪いの?」とざわついた。
「ちょっと眠たいだけだから大丈夫だよ。」
目を擦りながらそう返す御堂に、生徒たちは「可愛い〜!」とはしゃいだ。
うるさいな…。
御堂は内心イラつきながら、職員室に吸い込まれていった。
…昨日の夜は、大野さんとのことを考えて全然眠れなかった。
彼女が探している人が俺だと気づかれても地獄、気づかれなくてもまた別の地獄が待ち構えてる。
どちらもどうせ地獄なのに、選択するのが怖くて、
俺は何であの時医者になることから逃げてしまったんだろうと、しても仕方のない後悔に駆られていた。
