御堂先生は溺愛中



放課後。



凛は英語教科室のドアの前に立ちはだかっていた。




大丈夫。大丈夫。




凛はそう心の中で唱えると、震える手でドアを開けた。




「失礼します。」



ドアを開けると、御堂が目を丸くして凛を見た。



「あれ、大野さん、お疲れ様。」



見慣れた笑顔で出迎える御堂に、凛も小さい声で「お疲れ様です。」と返した。



「何か分からないところでもあった?…あ、そういえば体調大丈夫?」



心配そうに尋ねる御堂の優しさも、今の凛にとっては苦しい。



「大丈夫です。ちょっと話したいことがあって。」



凛は声の震えを抑えながら、御堂の隣に座った。



「うん、わかった。」



凛のただならぬ雰囲気に、御堂も真剣な表情でそう答えた。




ちゃんと、言わなきゃ。



そう心の中で言うが、なかなか口を開くことのできない凛に、御堂は柔らかく笑って、「大丈夫だよ。ゆっくりで。」と励ました。



その笑顔に、凛は眉を下げてぎゅっと口を結ぶと溢れ出てくる感情を押し殺した。




それからふう、と息を吐くとゆっくりと話し出した。