御堂先生は溺愛中


「何か悩み事?心が疲れちゃった?」



そう優しく微笑む保健医に、凛は「そうかもです。」と返した。



「ふふ、思春期だもんね。ベッドで休んで行く?」



保健医の提案に、凛は「そうします。」と素直に受け入れた。



「何かあったらすぐ言ってね。話がしたくなったらいつでも聞くから。」



静かに寄り添うような保健医の言葉に、凛はお礼を言うとベッドに寝転んだ。





『ねえねえ、今度うちらも英語教科室に行っていい?』





頭の中に女子生徒の楽しげな声が響いた。



たったその一言に、なんで私はこんなにショックを受けてるんだろう。



なんで約束を裏切られたみたいに苦しいんだろう。




……それはきっと、2人の秘密が皆の周知の事実になって、



先生の恋が終わっていく足音が聞こえてるみたいで怖いんだ。



明日この優しさと愛を失うって宣言されたのなら、



私は突然のことでびっくりするけど、そういうものだって受け入れてさよならをする準備ができる。



だけど、実際にはそんなことはなくて、



きっとある日突然に感じなくなって、失っていくものだから、怖いんだ。



心の準備ができないまま消えていくのが、苦しいんだ。




それに気づいた凛は、一つの決心をした。