御堂先生は溺愛中


「ふう。」



御堂は凛を送ると、自身もそのまま家に帰宅した。



体育祭の後は教師だけで打ち上げがあったはずだが、御堂はどうしても気が乗らず、適当に言い訳をして回避した。




一人暮らしには広すぎるこのマンションは、医者にならないならせめて一つ願いを聞いてくれと両親から懇願されて住んでいる。




どうせこれも投資用に父さんが買ったマンションなんだろう。



住む場所に執着のなかった御堂は、ありがたくこの家に住んでいるが、どうにもこの広さを使いこなせていない気がしてたまにうんざりする。




「うわ…。」



テーブルの上に置かれたメモ書きを見ると、御堂は眉を顰めた。



両親が購入した物件に住むと言うのはこういう弊害もある。



『謙次郎へ、ちゃんとご飯食べてる?冷蔵庫の中に作り置きが…。』



そう。両親が合鍵を持っているため、勝手に家に入られては掃除や洗濯なんかを勝手にされているときもある。



いい加減大人なんだからほっといてくんないかな。



御堂は悪態をつきながらそのメモをゴミ箱に入れようとすると、その隣にあった白くて綺麗な封筒に目が入った。



それからメモをもう一度きちんと読んでみた。



『お兄ちゃんが結婚するから、謙次郎にも招待状渡しておきます。あなたも早くいい子を見つけて結婚しなさい。』



「めんど…。」



御堂はそう呟くと、メモをゴミ箱に投げ入れた。