「僕、一応医者になりたかった人間だから。
あの状況の大野さんがどれだけ危険かって分かっていたから、それでつい、強い口調で…怖かったよね。」
こんな性格の悪い私の気持ちなんて先生は知らないで、自分が悪いって謝ってくれている。
それが申し訳なくて、涙がひと粒こぼれ落ちた。
「分かってます。…大丈夫です。」
私こそごめんなさい。
そう伝えたかったのに、それ以上話したら涙が止まらなくなりそうで、凛はそれしか言えなかった。
「…じゃあ、お大事にね。」
御堂は凛の家の前に車を付けると、助手席のドアを開けてそう言った。
「ありがとう、ございます。」
凛はそう言って真っ直ぐと家の中に入っていった。
