「ありがとう、ございます、じゃあ。」
そう言って保健室から出て行こうとしていく凛の腕を御堂はぐっと掴んだ。
「ダメだ。ここで休んでいて。」
そう言って御堂は凛をベットへと連れ戻す。
凛は必死に抵抗しようとしたが、そんな力すらなく、再びぱたんとベッドに尻餅をついた。
「先生、私リレー出たいんです。だから、行かせて、ください。」
そう言ってまた立ちあがろうとする凛に、御堂はいつもの柔らかさが、目元からスッと消えた。
「駄目だ。走らせない。」
初めて聞く御堂の厳しい声音に、凛の目には涙が溜まった。
なんで??
先生はいつも私のことを好きでいてくれて、
私の意思を尊重してくれたのに
なんでそんなこと言うの??
私が走らなきゃなのに
みんなが期待してくれてるのに…
凛は何故だか悲しくなって、唇を噛み締めて俯いた。
「…クラスのみんなには俺が言っておくから。」
その声を最後に、凛の記憶は途絶えた。
