御堂先生は溺愛中


「じゃあ、また。学校で。」



御堂は凛の家の前に車を停めるとそう言って見送った。



「ありがとうございました。また。」



凛は軽くお辞儀をすると家の中へ入っていった。






…はあ。





御堂はため息をつくと、ハンドルに頭を預けた。




こんな偶然ってあり得るのだろうか。




学校とは遠い地で大野さんと偶然出くわすなんて。





彼女を見つけた時、これこそが運命だって嬉しくなって、浴衣姿を見れてはしゃいでたさっきの俺を嘲笑うかのように、現実は残酷だった。





こんな出くわし方をしたのに、大野さんは俺のことを好きではなくて、



人に恋愛感情を抱くことがないって言われて、



神様がいるとしたらとんだ意地悪だ。



運命だって期待させておいて、はなから好きになることがないなんて言われて、



それだったらいっそこんなところで出会いたくなかった。



…それなのに俺の過去の汚点をすんなりと受け入れてくれる大野さんに、俺はもっとはまって溺れていく。



もう心がぐちゃぐちゃだよ。




御堂がそう嘆いていると、ポケットの中で携帯が震えた。