オンラインゲーム『ラピスラズリ』


しかも、私の周りだけを保護する盾……。
ブルードラゴンが吐き出した渦巻く光線の様な物が、タクマと私に直撃。
ゲームをしたことのない私でも理解できる。
盾の守備範囲は、私だけを守ってタクマは守れないのだと……
これも、タクトの意図するところなのかな?
タクマは渦に巻き込まれ、ブルードラゴンに呑み込まれた。
『例え、俺が死んだとしても。』
あの大きな防御の呪文だったなら、彼も助けられたはずだ。
力が尽きてしまったのかな?押し間違えた?
……そんな防御しかできない奴……
本当に私は、役立たずなのかな。違う……この状況を、タクマは予測していた。
その上で、私に協力を求める言葉を告げたのだから。彼の指示を待とう。

タクマを呑み込んだブルードラゴンは、距離を縮めて私を見下ろした。
「私(わたくし)は初めて、防御しか習得していない勇者を拝見しました。勇敢な者に、敬意を表(ひょう)し……受けた屈辱、力の差を以て晴らすとしよう。防御の勇者よ、存分に応戦してくれ。さぁ、楽しもうではないか!」
……饒舌なドラゴンだな。
思わず冷静な自分が余所に居て、他人事のように感じた。
あぁ、ゲームをしたことが無いからかな?
本来、のめり込むような盛り上がりの最高潮……気を引き締めよう。
何故か冷めてしまった私の見つめる画面に、次の指示が表示された。
画面に浮かんだ新たな文字の点滅は『1ぬ!』。
防御ではないのを期待し、攻撃を予測する。
「私は、サイバー・パトローラー。カコ!」
ドヤ顔で、ポーズを決めたセリフ。
…………だよね。
私の武器って、この腰に掛かったタンバリンだろうし。
この世界では、さすがにチャットの時みたいな事は……そうでもないのかな?
それこそ、チートと言われないだろうか。
タクマは、このブルードラゴンのお腹の中なんだよね?
危機感とか臨場感などはゲームに慣れたのか、ブルードラゴンに冷めたのか。
……明らかに後者だな、うん。
さて、残る最後のキーなのか同じ防御なのか……ヒロインの役目も、最終部分。
タクマの望んだ結末を、見せて欲しい……
そうね、そうイメージするとワクワクする。
ドキドキと高鳴る心音と共に、次の指示を待つわ。