オンラインゲーム『ラピスラズリ』


部屋に閉じこもり、暗闇に身を小さくして丸くなった。
涙が溢れては零れる。

どれほど泣いたのか、泣き疲れて眠っていた。
母だろうか、体には毛布が掛かって、部屋は暖房が利いている。
きっと、私の想いは筒抜けだったのだろう。
自分の幼さが恥ずかしくて情けなくて、言葉にならないほど胸が痛む。
苦しみと後悔が奏でる心音。

日は過ぎるのに、自分の時間は止まったまま。
周りは色めき、雑音と化す。
入ってくる情報は、自分の失恋に闇色を加えていった。
落ちていく感覚。

幼馴染が隣に居ない。
私の隣にいた相月 晴(あいづき はる)は、木口 一香(きくち いちか)と並んで歩く。
私は視線を逸らし、周りの気遣いに胸を痛めた。
募るのは羞恥心。

気分が悪くなり、保健室へと向かった。
足取りは重いのに、歩行の感覚が曖昧で、道のりは遠い。
保健室の扉に手をかけると、中から音楽が聞こえた。
そっと開いて、誘われるように入る。
高音のバイオリンが、身体に響く。
パソコンには、癒される草原の画像。
揺れる草や花。その音が、バイオリンと曲を奏でるように重なる。

見つけたのは、音のある世界。
それを“あなた”が私に提供したのに、“あなた”は私に無音を求める。
私の逃げ場で、“あなた”は私を追い詰める。
無音の世界に囚われ、無意識で生み出した私を捕らえても、得られるはずはない。
だから、解放して欲しい。

『君は、俺のヒロインだよ。』

私は気づかずに、心が無音を奏でる……