招待状を送り。
パーティーを組んで、速攻で炎の町に到着したカプリチオ。
「ちっ。まだ夜じゃねーのか。」
ボイスで暴言。不機嫌全開。
「誰かさんが俺をフレンドに登録していないからな。ブラックリストに簡単に入れるような奴だし。」
「人のせいにするのは良くない。人を悪く言うのも良くない。」
正論だけど。ほんとイラつく。
「アジュールの噂は聞いたか。」
「あぁ。チャットは使えない。」
ん?なんか引っかかる違和感。
「何を期待して占いを?」
「ぽこぽん、俺は占いの後。結果が何であれ、【難攻不落】の城に挑む。」
「待て、アジュールの二周目はお前がゲームに居るからだぞ。それなのに。」
「いや、これでいいんだ。」
何がいいんだ。
けれど、境遇を想像すると分からなくはない。俺は。
「忘れろ。もうアジュールはいない。」
違和感がなんなのか。頭が混乱してくる。
冷静な自分と、感情的な自分。言いたいことと、言いたくない言葉。
「ぽこぽん、ありがとうな。」
そこでボイスが途切れ。パーティーが解除されて。
酒場に向かう後ろ姿。
どんな結果が出たのか俺は知らない。
何故、招待を俺に頼んだのか。
次の日。
カプリチオは【難攻不落】の城に挑み。俺は闘技場で見ていた。
奥義は寄託しているのに。それでも善戦し。
圧倒的な力を前に。多分、最期の攻撃。
水色の魔法陣が拡がり。水滴のようなものが空中にキラキラと散りばめられ。
ラスボスのドラゴンからの攻撃は続くけれど、それが防壁のようにダメージを吸収する。
カプリチオは詠唱を続け、剣を地面に突き刺した。
すると波紋が生じて沈んでいき。
沈み切ったところを中心に水の王冠が浮かんだ一瞬。水飛沫が生じる。
剣と代わって水の矢が一本、魔法陣から召喚された。
散布された霧状のものが集まり、弓を形成し。
カプリチオはそれぞれを手に。
防御の緩んだ隙間からのダメージを受けながらも。弓を引いて真っすぐに構え。
迫り来るドラゴンに矢を放つ。
それはドラゴンの左目に刺さって大ダメージを与え。
今までにない奇声のような叫びをあげた。
黒煙を含んだ炎を空に吐き出し。
ダメージのない右目が、鋭く睨んでカプリチオを捉え。
振りかざした腕。引き裂く爪の鋭さ。
血しぶきが鮮明に。
カプリチオは死んだ。
そしてゲームから消えた。

