幼馴染の土葵くんは。



ワクワクしすぎてあまり眠れずに入学式当日になってしまった。
1階のロビーで胡桃ちゃんと待ち合わせをしているから、誕生日プレゼントで貰ったヘアピンをつけ、急いで部屋を出た。
新品の制服は、着るだけでとてもワクワクしてくるから、鼻歌なんて歌いながらエレベーターに向かう私。


1階に到着すると、案の定胡桃ちゃんは先に到着していたみたいで私は走って駆け寄る。
けれど、ロビーのふかふかのカーペットに新調した履きなれないローファーのせいなのか、私は、思い切りつまずいてしまった。

……と思っていたのに、気がつくと後ろから抱きしめるように私のことを支える男の人のがっちりとした腕が見える。


「大丈夫?」


耳元で聞こえる男の人の声。

そして、周りからの視線。


「だ、だ、大丈夫です!……って土葵くん…?」

「……和歌?」


私のことを支えてくれていたのは、弓良土葵。
幼稚舎からの幼馴染で、私の初恋相手と同時に失恋した相手だった。