受付嬢なのに、清掃員から一途に溺愛されています ~タワマン最上階で猫と過ごす、秘密の恋~

 玄関では、いつも通り、西条が迎えてくれる。

  「いらっしゃい」

 少し緊張しながら、部屋に入る。

 お菓子を差し出すと、
 彼は相変わらず無邪気に喜んだ。

  「ありがとう。嬉しいな」

 マルは、ソファの近くで丸くなっていた。
 確かに、少し元気がない。

 様子を見ながら話を聞くと、
 原因はすぐに分かった。

  「マルちゃん……食べ過ぎですね」

  「え?」

  「可愛いからって、あげすぎです。
   量を少し控えれば、
   大丈夫だと思います」

 西条は、少し気まずそうに笑った。

  「つい……」

 紅茶を淹れてくれて、
 いつものようにソファに並んで座る。

 しばらく、猫のマルの話をしてから、
 西条が、ふっと視線を落とした。

 マンションの部屋に入ると、
 いつものようにマルが足元に
 すり寄ってくる。

 「とりあえず元気そうですね」

 そう言うと、西条は少しだけ、
 ほっとしたように息を吐いた。

  「……よかった」

 マルを撫でながら、
 しばらくは他愛のない話をしていた。