朝陽side
朝陽の部屋は、
必要最低限しかなかった。
ベッド。
机。
少し散らかった教科書。
カーテンのない窓。
一人暮らし用の、古いアパート。
「……」
濡れた靴を脱いで、
無言で床に座る。
夜、柚香の家の前に立っていた理由を、
自分でも説明できなかった。
会う気は、なかった。
話すつもりも、なかった。
ただ――
雨の日が、嫌いだってことを、
知っているだけ。
あの日から。
ゆずは、雨の日になると、
決まって黙り込んだ。
「……」
拳を、ぎゅっと握る。
俺がそばにいたら、
あの日を思い出す。
そう思った。
だから、
離れた。
最後に言った言葉は、
嘘だった。
朝陽の部屋は、
必要最低限しかなかった。
ベッド。
机。
少し散らかった教科書。
カーテンのない窓。
一人暮らし用の、古いアパート。
「……」
濡れた靴を脱いで、
無言で床に座る。
夜、柚香の家の前に立っていた理由を、
自分でも説明できなかった。
会う気は、なかった。
話すつもりも、なかった。
ただ――
雨の日が、嫌いだってことを、
知っているだけ。
あの日から。
ゆずは、雨の日になると、
決まって黙り込んだ。
「……」
拳を、ぎゅっと握る。
俺がそばにいたら、
あの日を思い出す。
そう思った。
だから、
離れた。
最後に言った言葉は、
嘘だった。
