触れられない手

低い声。昔より低くなっているのに、間違えようがない。

嘘……
心臓が、痛いほど跳ねる。

彼が、この町に戻ってくるはずがない。
戻ってきちゃいけない人だった。

朝陽。
私の幼なじみで、初めて好きになった人。
そして――私からすべてを奪った事件の、中心にいた人。