触れられない手

数週間後。

祖母は、帰ってこなかった。

静かな病室で、
医師の言葉を聞く。

頭が、真っ白になる。

泣くことも、
声を出すことも、できなかった。

葬儀の日。
雨は降らなかった。

それが、
少しだけ救いだった。

「これからは、どうするの?」

親戚の人が言う。

「一人で、大丈夫?」

私は、笑った。

「大丈夫です」

その言葉しか、なかった。