私の初恋は小学4年生だった。
初恋相手は
当時小学6年生で
2歳年上の幼馴染の男の子。
ずっと妹扱いされてたけど
君に好きって言えたら
どんなに良かったか。
好きになったきっかけは
私がクラスメイトの男の子に
「あー!貞子がいるー!
呪われるから塩を撒いて逃げろー!!」って
毎日貞子扱いされて
いじめられてた時期の事。
私がしくしく泣きながら
家に帰って来ると
「まーた!いじめられてたのかよ!」
と玄関で待ってたのは
当時、私の家のお隣さんだった
一瀬咲也(いちのせさくや)
通称・さく兄。2歳年上の幼馴染。
私を妹扱いするからさく兄って呼んでる。
「うわーん!!さく兄!!
今日も貞子って言われて塩撒かれて
目が痛いし、学校でも
外でもいじめられて、毎日同じ事の繰り返しで
もう嫌だよぉぉ!!」
って、さく兄にしがみつきながら
大声で泣き喚いてたのは
私、暁(あかつき)ルアだ。
そんな私に「大丈夫だ!俺が何とかしてやる!」
と言ってくれて陰でいじめっ子に注意してくれて
助けてくれてたんだよね。
そんな私の事を
さく兄が守ってくれてるうちに
私は、さく兄の事を好きになった。
そう、私の初恋相手はさく兄だった。
ただ、しばらくして
いじめっ子達に
「お前、貞子の事好きなんだろ!?」って
さく兄が言われて
「ちげーよ!こいつは妹みてーなもんだから!」
って否定してたのを
たまたま学校から下校中に通り道の公園で
偶然、その場で聞いてしまい
やっぱり妹扱いか…と落ち込んでしまって
トラウマになってるのは
私だけの秘密。
好きなのに
この複雑な気持ちは何だろうって
ずっとモヤモヤしてて段々
素直になれなくなったんだ。
だけど私が中学1年生になると私をいじめてた
クラスメイト達はそのまま地域の中学校に
進級するのではなく
隣町の私立中学校に通い始め
すっかりいじめはなくなったけど
さく兄は私と同じ中学校に通っていて
中学3年生で受験生真っ最中。
変わらない関係。
いや、変われなかった。
だって受験生真っ最中の
彼は恋愛の「れ」の字もなく
これまで通り妹扱いで
中々、振り向いて貰えない。
例えば、「クリスマスに会おうよ!」とか言っても
「ごめんけど、受験に集中したいから。」
とか言って
挙げ句の果てには
さく兄が志望校に受かったから
「受験合格祝いに夜ご飯食べに行かない?」
って私が誘うと
「ごめん。今日はそんな気分じゃない」
とか言うんだよ?
そんな会話をしていくうちに私は
振られるのが怖くて
告白する勇気すら
無かったのだ。
だって私には
さく兄がいじめっ子に
「ちげーよ!こいつは妹みてーなもんだから!」
って公園で言ってた時のトラウマもあるから。
_202×年4月6日(日)
それから3年後。
ここは、あひるアパート。
202号室に住む事になった私。
明日、
私立宮下学園(しりつみやしたがくえん)高等部の
入学式に出る高校1年生。
そして今日、田舎の実家から
都会の街に引っ越して
今日から一人暮らしを始める事になりました。
というのも私の志望校が
私立で、かなり高い偏差値で
しかも実家からじゃ通える距離でもなく
寮生活は出来るかと思いきや
寮自体がない高校だったっていうオチ。
私はどうしてもこの高校に通いたいから
親を何とか説得して
一人暮らしを始める事になったんだけど。
どうしても私立宮下学園に
通いたかった理由は…会いたい人が居るから。
…会えるよね?さく兄。
頭の中がさく兄でいっぱいになってたら
スマホの着信が鳴りはじめる。
_お母さんからだ。
「もしもし?お母さん?」
私はスマホの画面の通話で"応答する"に
スライドし耳に当てる。
電話越しからテレビの音とお父さんの笑い声が
聞こえるのと同時に
「ルア、引っ越しの荷解き終わった?」
お母さんの一言で私は我に返る。
「あ!ごめん!考え事してて、まだやってないよ。
今からする!」
…いけない!考え事しすぎた!!
慌てる私にお母さんのトドメの一言。
「もー!早く終わらせなさいよ!それと
鍵とか無くさないようにね!
ルアはドジな所があるんだから!」
そんなお母さんの言葉に苦笑いしながら
「いやいや、大丈夫だってば!お母さんは
心配しすぎ!私、荷解きするから
もう電話切るね!」
と私が言った後に
お母さんが何か言ってたが
最後まで聞かずに電話を切った。
よし!切り替えよ!
早速、荷解きしないとね。
とはいえ、この段ボール箱の量だと
片付けるのには
かなり時間がかかりそうだなぁ…。
目の前の光景に、現実逃避したくなる私。
ええーい!明日は入学式だから
頑張って終わらせないと学校から帰ってきて
疲れた状態で荷解きするのは
やる気出なさそうだし!
逆に今日荷解きを終わらせることが出来たら
自分へのご褒美にコンビニで
甘いケーキでも買おうじゃないか!
自分へのモチベーションを上げつつ
私は荷解きを着々と進めていく。
_4時間後。
ふぅ。ようやく終わったぁぁ。。。
さて、ご褒美のケーキ買いにコンビニに行くか。
スマホをみてみると気づいたら時刻は
18時55分。
わぁ…、こりゃまた随分と時間かかったなぁ。。
まぁ、引っ越し後の荷解きって
これぐらいかかるのが当たり前だよね。
私は暗くなる前に早くコンビニに行って
帰って来ようと思いながら玄関に向かう。
そして小物バックに財布とスマホと鍵を入れて
忘れ物が無いか確認し
玄関の鍵を閉めコンビニへ向かった。
私が向かったのはアパートから徒歩5分で着く
デイリーミヤハラという小さなコンビニ。
店内はそこまで人が多い訳でもなく
少ない訳でもない。
…この時間帯ってあまり利用する人
居ないのかなぁ?
ま、良いっか。
そんな事を考えながら足を運んだのは
店内のスイーツコーナー。
お目当てのケーキを探してると…
「あ!これ美味しそう!!」
私が見つけて、手にしたのは
王道の苺のショートケーキだ。
値段は368円。
…まあまあ良い値段するなぁ。。。
ま、今回は自分への
ご褒美だし、たまには良いよね!
それに自分に対しての引っ越し祝いって
思っても良いかも…?
そうと決まれば、早速レジに向かう。
お!セルフレジあった!ラッキー!!
私はセルフレジで商品をスキャンし
PayRoy(ペイロイ)という
バーコード決済で支払いを済ませて
コンビニからアパートまで駆け出した。
そう、ここまでは平和だった。
何も起こらない普通の平凡な日常だったはずなのに。
_19時15分。家に着いた時
イレギュラーな出来事が起きた。
…あれ?鍵が無い。。。
確かに小物バックに入れておいたのに⁉︎
え⁉︎…嘘でしょう⁉︎
どっかに、落とした⁉︎
どうしよう…このままじゃ、家に入れないよ⁉︎
突然のハプニングに青ざめる私。
お母さん…やっぱりお母さんの言う通りに
なっちゃった…。
あ!そうだ!お母さんに電話したら…って
嘘でしょう⁉︎スマホの充電も0%⁉︎
もう、どうにも出来ないよ…。
しばらく自分の家のドアの前にしゃがみ込んで
悩んでいると一階の階段から
誰かが上がってくる足音がしてきた。
…誰だろう…?お隣さんかなぁ?
…もしそうならお隣さんに
助けを求めても良いんだろうか…?
いやいや、ダメでしょ⁉︎
面識がないとはいえ、いくら何でも
頼るのは良くないじゃない…⁉︎
それにひょっとしたらお隣さんじゃないかも
しれないでしょ!
と悶々としてると
「どうしたの?」と
噂をすれば、その人物に
声をかけられたではないか。
「あ…えっと、実は今日
202号室に引っ越して来たんですけど
さっきコンビニに行ってる間に
鍵を無くしちゃって…!
私って本当、バカですよね…!あはは…。」
咄嗟に出てきた言葉と態度は
しどろもどろ状態だ。
すると、ほら顔上げて。とその人物に顔を掴まれて
ぐいっと上に持って行かれる。
「…バカじゃないよ。そんな自分を
卑下したらダメだよ。」
…え?
それは今起きてる出来事と
目の前の人物から発せられる言葉よりも
衝撃的な出来事だった。
「…さく兄…?」
「…久しぶり。元気だったか?るーちゃん。」
そう、この瞬間
私はあの頃に戻った気分になった。
どうして…さく兄が…?
私の前に現れたのは高校3年生のさく兄。
…私の初恋相手で私が私立宮下学園高等部に
通いたかった理由の原因が
さく兄。
だけど同じ高校に行って
あの頃伝えられなかった
好きだっていう
想いを今度こそ伝えたかった。
ただそれだけ。
なのに…!
目の前の彼は妖しく笑いながら
「るーちゃん、俺のお隣さんだね。
今日からお隣さん同士仲良くしよーね?
宜しくね。るーちゃん。」
と言うではないか。
…嘘…!?さく兄がお隣さんなの⁉︎
私、毎日心臓持たないかもしれない…‼︎
動揺のあまり、さく兄から真下に視線を落とす。
「…うん。」
あぁー!私、久々のさく兄と会って
あまりにもかっこいいから
緊張しすぎて今、返事が素っ気ないかもしれない‼︎
「とりあえず、今日はもう遅いし
俺の部屋に泊まれば?鍵をなくした事については
管理者に俺から電話しとくよ。」
え⁉︎泊まるの⁉︎何だかさく兄って会わない間に
チャラくなった気がする…のは気のせいかなぁ…?
でも、このまま家に入れないのは困るから
そう言って貰えて正直助かるんだけど…
「…うん、有難う。
じゃあ今日はお言葉に甘えるね。」
私…その場の雰囲気に流されやすいのかも。
その日、私はさく兄の家に泊まって
「先、お風呂に入れば?」と
さく兄に言われるがままに
お風呂入り、部屋に戻ると
「あ、るーちゃん、さっき管理者と電話したら
明日の朝早くに合鍵を渡すってさ。
制服も家の中だろうし、早めに対応するみたいだよ。
俺が知り合いで良かったね!」
と自慢げに話すさく兄。
そんなさく兄に対して私は
「…有難う。」の一言だけ。
…うーん…私、有難うしか言ってない気がする…!
勿論、申し訳ないって気持ちはあるんだけど…。
だって3年越しの再会だよ…⁉︎
そんなの心臓が持たないってば…!!
しかもこれから毎日
私のお隣さんだよ…!?
ますます、理性が持たないよ…!!
だって
あの頃とは違って
さく兄ってば、色気出てるしビジュ良すぎるし…。
ただ、さく兄と同じ高校で
しかもお隣さんって事は
今度こそ想いを伝えられるチャンスは
いくらでもあるかもしれないよね…!
…たとえ、妹扱いされたままでも。
今度は逃げずにどんな結果であれ
想いを伝えるって
私は、もう決めたから。
だってさく兄の面影を探すために
頑張って勉強して一般試験で
さく兄と同じ高校に受かったんだよ?
このチャンスは逃さないんだから!
覚悟しててね!さく兄!
いや、私のお隣さん。
この再会がのちに
私と彼の運命を左右する事になるかもしれないのを
まだ私達は知らない。
初恋相手は
当時小学6年生で
2歳年上の幼馴染の男の子。
ずっと妹扱いされてたけど
君に好きって言えたら
どんなに良かったか。
好きになったきっかけは
私がクラスメイトの男の子に
「あー!貞子がいるー!
呪われるから塩を撒いて逃げろー!!」って
毎日貞子扱いされて
いじめられてた時期の事。
私がしくしく泣きながら
家に帰って来ると
「まーた!いじめられてたのかよ!」
と玄関で待ってたのは
当時、私の家のお隣さんだった
一瀬咲也(いちのせさくや)
通称・さく兄。2歳年上の幼馴染。
私を妹扱いするからさく兄って呼んでる。
「うわーん!!さく兄!!
今日も貞子って言われて塩撒かれて
目が痛いし、学校でも
外でもいじめられて、毎日同じ事の繰り返しで
もう嫌だよぉぉ!!」
って、さく兄にしがみつきながら
大声で泣き喚いてたのは
私、暁(あかつき)ルアだ。
そんな私に「大丈夫だ!俺が何とかしてやる!」
と言ってくれて陰でいじめっ子に注意してくれて
助けてくれてたんだよね。
そんな私の事を
さく兄が守ってくれてるうちに
私は、さく兄の事を好きになった。
そう、私の初恋相手はさく兄だった。
ただ、しばらくして
いじめっ子達に
「お前、貞子の事好きなんだろ!?」って
さく兄が言われて
「ちげーよ!こいつは妹みてーなもんだから!」
って否定してたのを
たまたま学校から下校中に通り道の公園で
偶然、その場で聞いてしまい
やっぱり妹扱いか…と落ち込んでしまって
トラウマになってるのは
私だけの秘密。
好きなのに
この複雑な気持ちは何だろうって
ずっとモヤモヤしてて段々
素直になれなくなったんだ。
だけど私が中学1年生になると私をいじめてた
クラスメイト達はそのまま地域の中学校に
進級するのではなく
隣町の私立中学校に通い始め
すっかりいじめはなくなったけど
さく兄は私と同じ中学校に通っていて
中学3年生で受験生真っ最中。
変わらない関係。
いや、変われなかった。
だって受験生真っ最中の
彼は恋愛の「れ」の字もなく
これまで通り妹扱いで
中々、振り向いて貰えない。
例えば、「クリスマスに会おうよ!」とか言っても
「ごめんけど、受験に集中したいから。」
とか言って
挙げ句の果てには
さく兄が志望校に受かったから
「受験合格祝いに夜ご飯食べに行かない?」
って私が誘うと
「ごめん。今日はそんな気分じゃない」
とか言うんだよ?
そんな会話をしていくうちに私は
振られるのが怖くて
告白する勇気すら
無かったのだ。
だって私には
さく兄がいじめっ子に
「ちげーよ!こいつは妹みてーなもんだから!」
って公園で言ってた時のトラウマもあるから。
_202×年4月6日(日)
それから3年後。
ここは、あひるアパート。
202号室に住む事になった私。
明日、
私立宮下学園(しりつみやしたがくえん)高等部の
入学式に出る高校1年生。
そして今日、田舎の実家から
都会の街に引っ越して
今日から一人暮らしを始める事になりました。
というのも私の志望校が
私立で、かなり高い偏差値で
しかも実家からじゃ通える距離でもなく
寮生活は出来るかと思いきや
寮自体がない高校だったっていうオチ。
私はどうしてもこの高校に通いたいから
親を何とか説得して
一人暮らしを始める事になったんだけど。
どうしても私立宮下学園に
通いたかった理由は…会いたい人が居るから。
…会えるよね?さく兄。
頭の中がさく兄でいっぱいになってたら
スマホの着信が鳴りはじめる。
_お母さんからだ。
「もしもし?お母さん?」
私はスマホの画面の通話で"応答する"に
スライドし耳に当てる。
電話越しからテレビの音とお父さんの笑い声が
聞こえるのと同時に
「ルア、引っ越しの荷解き終わった?」
お母さんの一言で私は我に返る。
「あ!ごめん!考え事してて、まだやってないよ。
今からする!」
…いけない!考え事しすぎた!!
慌てる私にお母さんのトドメの一言。
「もー!早く終わらせなさいよ!それと
鍵とか無くさないようにね!
ルアはドジな所があるんだから!」
そんなお母さんの言葉に苦笑いしながら
「いやいや、大丈夫だってば!お母さんは
心配しすぎ!私、荷解きするから
もう電話切るね!」
と私が言った後に
お母さんが何か言ってたが
最後まで聞かずに電話を切った。
よし!切り替えよ!
早速、荷解きしないとね。
とはいえ、この段ボール箱の量だと
片付けるのには
かなり時間がかかりそうだなぁ…。
目の前の光景に、現実逃避したくなる私。
ええーい!明日は入学式だから
頑張って終わらせないと学校から帰ってきて
疲れた状態で荷解きするのは
やる気出なさそうだし!
逆に今日荷解きを終わらせることが出来たら
自分へのご褒美にコンビニで
甘いケーキでも買おうじゃないか!
自分へのモチベーションを上げつつ
私は荷解きを着々と進めていく。
_4時間後。
ふぅ。ようやく終わったぁぁ。。。
さて、ご褒美のケーキ買いにコンビニに行くか。
スマホをみてみると気づいたら時刻は
18時55分。
わぁ…、こりゃまた随分と時間かかったなぁ。。
まぁ、引っ越し後の荷解きって
これぐらいかかるのが当たり前だよね。
私は暗くなる前に早くコンビニに行って
帰って来ようと思いながら玄関に向かう。
そして小物バックに財布とスマホと鍵を入れて
忘れ物が無いか確認し
玄関の鍵を閉めコンビニへ向かった。
私が向かったのはアパートから徒歩5分で着く
デイリーミヤハラという小さなコンビニ。
店内はそこまで人が多い訳でもなく
少ない訳でもない。
…この時間帯ってあまり利用する人
居ないのかなぁ?
ま、良いっか。
そんな事を考えながら足を運んだのは
店内のスイーツコーナー。
お目当てのケーキを探してると…
「あ!これ美味しそう!!」
私が見つけて、手にしたのは
王道の苺のショートケーキだ。
値段は368円。
…まあまあ良い値段するなぁ。。。
ま、今回は自分への
ご褒美だし、たまには良いよね!
それに自分に対しての引っ越し祝いって
思っても良いかも…?
そうと決まれば、早速レジに向かう。
お!セルフレジあった!ラッキー!!
私はセルフレジで商品をスキャンし
PayRoy(ペイロイ)という
バーコード決済で支払いを済ませて
コンビニからアパートまで駆け出した。
そう、ここまでは平和だった。
何も起こらない普通の平凡な日常だったはずなのに。
_19時15分。家に着いた時
イレギュラーな出来事が起きた。
…あれ?鍵が無い。。。
確かに小物バックに入れておいたのに⁉︎
え⁉︎…嘘でしょう⁉︎
どっかに、落とした⁉︎
どうしよう…このままじゃ、家に入れないよ⁉︎
突然のハプニングに青ざめる私。
お母さん…やっぱりお母さんの言う通りに
なっちゃった…。
あ!そうだ!お母さんに電話したら…って
嘘でしょう⁉︎スマホの充電も0%⁉︎
もう、どうにも出来ないよ…。
しばらく自分の家のドアの前にしゃがみ込んで
悩んでいると一階の階段から
誰かが上がってくる足音がしてきた。
…誰だろう…?お隣さんかなぁ?
…もしそうならお隣さんに
助けを求めても良いんだろうか…?
いやいや、ダメでしょ⁉︎
面識がないとはいえ、いくら何でも
頼るのは良くないじゃない…⁉︎
それにひょっとしたらお隣さんじゃないかも
しれないでしょ!
と悶々としてると
「どうしたの?」と
噂をすれば、その人物に
声をかけられたではないか。
「あ…えっと、実は今日
202号室に引っ越して来たんですけど
さっきコンビニに行ってる間に
鍵を無くしちゃって…!
私って本当、バカですよね…!あはは…。」
咄嗟に出てきた言葉と態度は
しどろもどろ状態だ。
すると、ほら顔上げて。とその人物に顔を掴まれて
ぐいっと上に持って行かれる。
「…バカじゃないよ。そんな自分を
卑下したらダメだよ。」
…え?
それは今起きてる出来事と
目の前の人物から発せられる言葉よりも
衝撃的な出来事だった。
「…さく兄…?」
「…久しぶり。元気だったか?るーちゃん。」
そう、この瞬間
私はあの頃に戻った気分になった。
どうして…さく兄が…?
私の前に現れたのは高校3年生のさく兄。
…私の初恋相手で私が私立宮下学園高等部に
通いたかった理由の原因が
さく兄。
だけど同じ高校に行って
あの頃伝えられなかった
好きだっていう
想いを今度こそ伝えたかった。
ただそれだけ。
なのに…!
目の前の彼は妖しく笑いながら
「るーちゃん、俺のお隣さんだね。
今日からお隣さん同士仲良くしよーね?
宜しくね。るーちゃん。」
と言うではないか。
…嘘…!?さく兄がお隣さんなの⁉︎
私、毎日心臓持たないかもしれない…‼︎
動揺のあまり、さく兄から真下に視線を落とす。
「…うん。」
あぁー!私、久々のさく兄と会って
あまりにもかっこいいから
緊張しすぎて今、返事が素っ気ないかもしれない‼︎
「とりあえず、今日はもう遅いし
俺の部屋に泊まれば?鍵をなくした事については
管理者に俺から電話しとくよ。」
え⁉︎泊まるの⁉︎何だかさく兄って会わない間に
チャラくなった気がする…のは気のせいかなぁ…?
でも、このまま家に入れないのは困るから
そう言って貰えて正直助かるんだけど…
「…うん、有難う。
じゃあ今日はお言葉に甘えるね。」
私…その場の雰囲気に流されやすいのかも。
その日、私はさく兄の家に泊まって
「先、お風呂に入れば?」と
さく兄に言われるがままに
お風呂入り、部屋に戻ると
「あ、るーちゃん、さっき管理者と電話したら
明日の朝早くに合鍵を渡すってさ。
制服も家の中だろうし、早めに対応するみたいだよ。
俺が知り合いで良かったね!」
と自慢げに話すさく兄。
そんなさく兄に対して私は
「…有難う。」の一言だけ。
…うーん…私、有難うしか言ってない気がする…!
勿論、申し訳ないって気持ちはあるんだけど…。
だって3年越しの再会だよ…⁉︎
そんなの心臓が持たないってば…!!
しかもこれから毎日
私のお隣さんだよ…!?
ますます、理性が持たないよ…!!
だって
あの頃とは違って
さく兄ってば、色気出てるしビジュ良すぎるし…。
ただ、さく兄と同じ高校で
しかもお隣さんって事は
今度こそ想いを伝えられるチャンスは
いくらでもあるかもしれないよね…!
…たとえ、妹扱いされたままでも。
今度は逃げずにどんな結果であれ
想いを伝えるって
私は、もう決めたから。
だってさく兄の面影を探すために
頑張って勉強して一般試験で
さく兄と同じ高校に受かったんだよ?
このチャンスは逃さないんだから!
覚悟しててね!さく兄!
いや、私のお隣さん。
この再会がのちに
私と彼の運命を左右する事になるかもしれないのを
まだ私達は知らない。
