地元なじみ。

茅ヶ崎に謝りたい、話がしたいと思いながらも目も合わない日々が続き、クリスマスイブになってしまった。
上の空だったカラオケも終わり、塾へ向かうタイミングで出会ったのは、茅ヶ崎……と佐藤。

まただ……また心が乱される。

乱されたまま茅ヶ崎を連れ去り、寒空の下に立たせ、あげくこの言葉。

「……茅ヶ崎は、俺のことが好きなんじゃないの」


何言ってるんだ、俺は。
行き当たりばったり、その場のノリ……避けていたことをすべてやってしまっている。

茅ヶ崎はずっと無言でいる。
そりゃそうか。突然こんなこと言うやつ嫌に決まっている。
そもそも花火大会であんなことを聞いておきながら、何も答えない俺にうんざりしていたのかもしれない。

目が合わなかったのも、話さなくなったのも……
嫌われたからかもしれない。

けれど、俺は……

「ごめん……また間違えた」
「……え」
「あの花火大会の日も、今日までも、今も……俺はずっと間違えてる」
「……?」
「茅ヶ崎がどうか、じゃなくて……俺が茅ヶ崎のことが……好きなんだと思う」

口に出すのはこんなに躊躇われるのか。
茅ヶ崎がいつもうつむいていたもの納得だ。

「いつも、茅ヶ崎に言わせてばかりでごめん」
「うそ……」

茅ヶ崎は更に目を見開いて、混乱しているようだった。
素直な彼女の心の声は、手に取るようにわかる。


好き、愛おしい。
多分、俺に初めて生まれた感情だ。
この目の前の彼女にだけ、生まれる感情。