地元なじみ。

茅ヶ崎はキョロキョロし、口をパクパクさせながら動揺していた。
でも俺も気になって仕方がない。
じっと目を見て返事を待つ。


しばらく目が合っていた茅ヶ崎だが、ふと視線を地面に落とした直後、消えるような声が聞こえてきた。

「…………三島くん……です」

うつむき目は合わないけれど、茅ヶ崎の指は俺を指していた。

目と耳に入る情報を整理していると、さっきのイライラが驚くほど自分の中から消えていった。
けれど今、何て言うのが正解なのだろうか。
ありがとうなのか、わかったなのか……

考えているうちに出店の順番が来てしまった。


注文後の帰り道、茅ヶ崎は全く話さずスタスタと歩いている。
もうさっきの話は終わりってことなのだろうか。
俺は何も言わなくていいのだろうか。

こういう時、自分のコミュニケーション力の低さが恨めしい。

何が正解なのか、全くわからない。