クラスのみんなも登校してきて、そろそろHRが始まる時間だ 。
国語の教科書とノートをしまって、ゆっことそのまま話をしていた。
気になるのは、隣の席が空いたままになっていること。
「…今日は来るのかねぇ、彼は。」
「…さぁね。どっちでもいいけど、静かであればね。」
ちら、と隣の席に目をやった私に気づいたのか、ゆっこが隣の彼の話をしてくる。
隣の彼というのは、 黛 千景(まゆずみ ちかげ)だ。無駄にかっこいい名前に負けず、顔面はそこらのモデルよりも整っている。
女子人気も相当高いようで、いわゆるキラキラ女子たちがこぞって狙っている。
彼は、現代ではもはや死語であろう、いわゆる「不良」で、他校の生徒と喧嘩しただの、カツアゲしただの、悪いことばかり耳にする。
噂では「女嫌い」らしく、入学してから彼女がいたりはしていないそうで、不良だとしてもイケメンな彼氏が欲しい女子たちは、自分が1番に彼を落としてみせるという争いを起こしているようだ。
そんな彼が登校してくると、彼目当ての女たちがこぞって席の周りに集まり、話しかけに来る。地味女で邪魔な私は、キラキラ女子の(席譲れよ…)という無言の圧に耐えきれず離脱せざるを得ないので、来ないに越したことはないという訳だ。
「もうHRで先生くるし、今日はもう来ないよねきっと…。」
半分祈りを込めてぼそっと言う。
いつも来る時はHR始まるまでに来ているので、今日はもう来ない可能性が高い。いや来ないだろう、てか来ないでくれ。私の平和な学校生活を脅かさないでくれ!
と、その時、ガラガラガラッ!!と大きな音を立てて教室の後ろ側の扉が開いた。
そこに立っていたのは、今話題に上がっていた奴だった。
真っ黒な髪は短く、無造作にセットされている。
切れ長の目と長い睫毛、細く整った眉毛、通った鼻筋と形のいい唇。綺麗な肌にはシミひとつ無く、両耳ともシンプルなシルバーのピアスが輝いている。軽く気崩した制服も、普通の男子ならば単にダサいだけなのに、180cm近くある身長と顔面の良さで、色気に変わっている。
私が男子だったなら、神様に悪態をつきたくなるくらいイケメンだった。
(あ〜あ…来てしまった…。)
心の中で呟いた私に目もくれず、黛は自分の席に着席するとすぐに大きなあくびをして、机に突っ伏して寝始めた。
その様子を見て私とゆっこは小さくため息をつくのだった。
国語の教科書とノートをしまって、ゆっことそのまま話をしていた。
気になるのは、隣の席が空いたままになっていること。
「…今日は来るのかねぇ、彼は。」
「…さぁね。どっちでもいいけど、静かであればね。」
ちら、と隣の席に目をやった私に気づいたのか、ゆっこが隣の彼の話をしてくる。
隣の彼というのは、 黛 千景(まゆずみ ちかげ)だ。無駄にかっこいい名前に負けず、顔面はそこらのモデルよりも整っている。
女子人気も相当高いようで、いわゆるキラキラ女子たちがこぞって狙っている。
彼は、現代ではもはや死語であろう、いわゆる「不良」で、他校の生徒と喧嘩しただの、カツアゲしただの、悪いことばかり耳にする。
噂では「女嫌い」らしく、入学してから彼女がいたりはしていないそうで、不良だとしてもイケメンな彼氏が欲しい女子たちは、自分が1番に彼を落としてみせるという争いを起こしているようだ。
そんな彼が登校してくると、彼目当ての女たちがこぞって席の周りに集まり、話しかけに来る。地味女で邪魔な私は、キラキラ女子の(席譲れよ…)という無言の圧に耐えきれず離脱せざるを得ないので、来ないに越したことはないという訳だ。
「もうHRで先生くるし、今日はもう来ないよねきっと…。」
半分祈りを込めてぼそっと言う。
いつも来る時はHR始まるまでに来ているので、今日はもう来ない可能性が高い。いや来ないだろう、てか来ないでくれ。私の平和な学校生活を脅かさないでくれ!
と、その時、ガラガラガラッ!!と大きな音を立てて教室の後ろ側の扉が開いた。
そこに立っていたのは、今話題に上がっていた奴だった。
真っ黒な髪は短く、無造作にセットされている。
切れ長の目と長い睫毛、細く整った眉毛、通った鼻筋と形のいい唇。綺麗な肌にはシミひとつ無く、両耳ともシンプルなシルバーのピアスが輝いている。軽く気崩した制服も、普通の男子ならば単にダサいだけなのに、180cm近くある身長と顔面の良さで、色気に変わっている。
私が男子だったなら、神様に悪態をつきたくなるくらいイケメンだった。
(あ〜あ…来てしまった…。)
心の中で呟いた私に目もくれず、黛は自分の席に着席するとすぐに大きなあくびをして、机に突っ伏して寝始めた。
その様子を見て私とゆっこは小さくため息をつくのだった。
