うちの学校は、とにかくデカい。
図書室へ行くまでに結構な時間がかかる。
当番は2人体制なので、もうひとりを待たせないように、足早に図書室へ向かった。
図書室へ着くと、貸し出しカウンターの中には既にもう1人の当番が来ていた。
「深山くん、遅くなってごめんね...!」
「大丈夫だよ、俺も今来たとこだから。」
にこやかにそう返してくるのは、深山樹(ミヤマ イツキ)くんだ。
去年は同じクラスで、お互い本が好きで話の趣味も会うので、仲良くなった。
深山くんも、隠れたイケメンとしてクラスの女子たちから人気が高かった。柔和で優しげな顔と穏やかな物腰、相手を気遣う行動に、私も恋心と呼べないまでも少し惹かれていた。
去年クラスが一緒だった時以来なので、図書室の中でコソコソ話で盛り上がる。
「雪那ちゃんとは、今年はクラス離れちゃったから、こうして話すのは久々だね。元気だった?」
「元気だったよ〜、深山くんも元気そうだね!」
「おかげさまでね。 クラスには馴染めた?」
「今年はゆっこがいるから、だいぶ気が楽だよ〜。最初から友達がいるって安心する。 深山くんはどう?」
「去年の仲良い人がみんな別のクラスになっちゃったから、すごく寂しいよ。だから今日雪那ちゃんと話せて凄く嬉しい。」
うっ、なんて綺麗な笑顔...素直に思っていることを言っているということがわかる。
こんな地味女の私にそんなことを言ってくれるなんて...。ときめいてしまうではないか...。
これは女子人気が高いのもうなずける。
「そういえば、もうすぐGWだけど、雪那ちゃんはどこか行ったりするの?」
「なーんにもない!ゆっこも忙しいし。」
ゆっこの家は家族で居酒屋を営んでいる。ゆっこが長期休みの時は「働き手が増える!」とこき使われるそうで、代わりにバイト代をせしめてやる...と毎度悔しそうにしている。
「なら、期間中どっか一緒に出かけない?」
「え!?」
驚いて思ったより大きい声が出てしまった。慌てて口を抑え、再度声量を落とす。
「出かけるって、ふたりでってこと?」
「そうだよ。 あ、もしふたりだけなのが嫌なら、他の人も誘ってみんなで遊ぼうよ。どうかな?」
こてん、と首を傾げて誘われる。こんなこというと失礼かもしれないけど、その仕草がとても可愛くて、安易に頷きそうになる。最初はふたりでって言われて驚いたけど、複数人で行く可能性もあるなら、普通に遊びに行きたいってことなのだろう。
「お誘いはとっっっても嬉しいんだけど、うちの親も忙しくて、家の事しないといけないからあんまり遊びに行けないの...。せっかく誘ってくれたのに、ほんとごめんね...。」
私の母と姉は仕事に出ているが、接客業のため長期休みは稼ぎ時だ。逆に休めないので、基本的に掃除洗濯料理など諸々の家事は私の仕事になる。
別に無理やりやらされているわけではないが、家族はなるべく助け合っていきたい。
「そうなんだ、家族を大事にしてて、ほんとに雪那ちゃんはいい子だよね」
「そ、そんなことないよ!あっ、平日とかなら親も休みの日とかあるから、夏休みとかでも良ければまた誘って欲しいな!」
「そっか、わかったよ。じゃあ夏休みに遊び行こうね。約束だよ?」
せっかくのお誘いを断ってしまったのに、優しげな笑顔で話してくれる深山くんに、思わずドキッとしてしまうのだった。
その後話題はクラスのこととか、当たり障りの無い世間話をして時間まで過ごした。
図書室へ行くまでに結構な時間がかかる。
当番は2人体制なので、もうひとりを待たせないように、足早に図書室へ向かった。
図書室へ着くと、貸し出しカウンターの中には既にもう1人の当番が来ていた。
「深山くん、遅くなってごめんね...!」
「大丈夫だよ、俺も今来たとこだから。」
にこやかにそう返してくるのは、深山樹(ミヤマ イツキ)くんだ。
去年は同じクラスで、お互い本が好きで話の趣味も会うので、仲良くなった。
深山くんも、隠れたイケメンとしてクラスの女子たちから人気が高かった。柔和で優しげな顔と穏やかな物腰、相手を気遣う行動に、私も恋心と呼べないまでも少し惹かれていた。
去年クラスが一緒だった時以来なので、図書室の中でコソコソ話で盛り上がる。
「雪那ちゃんとは、今年はクラス離れちゃったから、こうして話すのは久々だね。元気だった?」
「元気だったよ〜、深山くんも元気そうだね!」
「おかげさまでね。 クラスには馴染めた?」
「今年はゆっこがいるから、だいぶ気が楽だよ〜。最初から友達がいるって安心する。 深山くんはどう?」
「去年の仲良い人がみんな別のクラスになっちゃったから、すごく寂しいよ。だから今日雪那ちゃんと話せて凄く嬉しい。」
うっ、なんて綺麗な笑顔...素直に思っていることを言っているということがわかる。
こんな地味女の私にそんなことを言ってくれるなんて...。ときめいてしまうではないか...。
これは女子人気が高いのもうなずける。
「そういえば、もうすぐGWだけど、雪那ちゃんはどこか行ったりするの?」
「なーんにもない!ゆっこも忙しいし。」
ゆっこの家は家族で居酒屋を営んでいる。ゆっこが長期休みの時は「働き手が増える!」とこき使われるそうで、代わりにバイト代をせしめてやる...と毎度悔しそうにしている。
「なら、期間中どっか一緒に出かけない?」
「え!?」
驚いて思ったより大きい声が出てしまった。慌てて口を抑え、再度声量を落とす。
「出かけるって、ふたりでってこと?」
「そうだよ。 あ、もしふたりだけなのが嫌なら、他の人も誘ってみんなで遊ぼうよ。どうかな?」
こてん、と首を傾げて誘われる。こんなこというと失礼かもしれないけど、その仕草がとても可愛くて、安易に頷きそうになる。最初はふたりでって言われて驚いたけど、複数人で行く可能性もあるなら、普通に遊びに行きたいってことなのだろう。
「お誘いはとっっっても嬉しいんだけど、うちの親も忙しくて、家の事しないといけないからあんまり遊びに行けないの...。せっかく誘ってくれたのに、ほんとごめんね...。」
私の母と姉は仕事に出ているが、接客業のため長期休みは稼ぎ時だ。逆に休めないので、基本的に掃除洗濯料理など諸々の家事は私の仕事になる。
別に無理やりやらされているわけではないが、家族はなるべく助け合っていきたい。
「そうなんだ、家族を大事にしてて、ほんとに雪那ちゃんはいい子だよね」
「そ、そんなことないよ!あっ、平日とかなら親も休みの日とかあるから、夏休みとかでも良ければまた誘って欲しいな!」
「そっか、わかったよ。じゃあ夏休みに遊び行こうね。約束だよ?」
せっかくのお誘いを断ってしまったのに、優しげな笑顔で話してくれる深山くんに、思わずドキッとしてしまうのだった。
その後話題はクラスのこととか、当たり障りの無い世間話をして時間まで過ごした。
