放課後、非常階段で。

のぞむくんは、少し驚いた顔で私を見た。

「のぞむくんは、お母さんの前とか、友達の前だとちゃんとしてるのに、私の前ではちょっと抜けてるところとか見せてくれるよね。

……私も、家で一人で泣いてる自分を見せられるのは、のぞむくんだけだよ」

胸の奥がぎゅっと締め付けられる。
もう、顔から火が出そうなくらい、顔が熱くて。
心臓の音が耳元でうるさく響く。

「それを全部『友達だから』って箱に詰め込んじゃうのは、なんか寂しいよ。

私、のぞむくんのこと、ただの友達だなんて思えない。


……のぞむくんが他の子にも同じことしてたらって考えると、すごく嫌」