ーやはり避けていたのバレている。
でも、百合子とのデートを見て避けたって言ったら好きなことバレてしまう。
百合子と榊さんの関係を悪くしたくないのに…
「大企業の社長である榊さんの時間を使ってしまうのが悪くて…」
私は悩んだ末、
思っていることと違うことを言った。
ーまあ、生きてる世界が違うとは思っているけどね…
「そんなこと気にしないでください。
私が会いたくて楓さんに会っているので」
そんなこと言われたら勘違いしてしまう。
榊さんにとってはただの友人なのに。
「榊さんの近くには、
榊さんと釣り合う人がいた方がいいと思います。」
ただの友人だとしても、私は釣り合わない。
私は俯いて小さな声で話した。
「俺と釣り合う人ってどんな人ですか?」
榊さんが今まで聞いたことないくらい低い声で喋ったので、驚いて顔を上げた。
怒っているかと思ったが、
どちらかといえば傷ついているようにみえた。
「そうですね…同じような立場の人とか…」
ー百合子みたいな。
口には出さないが百合子を思い浮かべながら話した。
そもそも百合子と榊さんが付き合う報告を受けるのかと思ったが、
なかなか榊さんからその話は出なかった。
早く報告を受けて、
この場から立ち去りたいのに…
「俺は…楓さんと一緒にいたいんです。
それではダメですか…?」
また思わせ振りなことを言ってくる。
堪えきれずに思わず、
「そんなこと言うと勘違いしてしまう人いると思いますよ」と言ってしまった。
言ってしまった後、
やはり言うべきではなかったかなと後悔した。
「勘違いじゃないんですが」
「?」
榊さんの発言の意味がわからず、
また顔を見上げると、真剣な表情でこちらを見ていた。
「楓さんが好きです」
「!」
思わず信じられないという表情で榊さんを見た。
私の表情をみて、
榊さんが自虐的に「やっぱり全然意識されていなかったんだな…」と呟いた。
「え、私をですか?」
「そうです。結構分かりやすくしていたと思いますが…」
正直百合子とのデートを見るまでは、
連絡も頻繁にくれるし、脈アリだったりしないかなと淡い気持ちを持っていた。
「えっと、百合子ではなくて?」


