私立月ノ森学園。この学校には今年からある噂が出来た。
その噂とは放課後の東棟三階、一番奥の空き教室にはどんな恋のお願いも叶えてくれると言う百戦錬磨の恋愛相談師がいるという。
最初はそんな馬鹿な話あるのかと皆、半信半疑だったが最近では実際に叶えて貰った生徒が結構な数いるらしい。
ある者は片思いしていた相手と付き合えた。またある者は付き合っていた彼の三股を暴いて貰った。など様々。
ガラガラガラガラ____
「あっ、安藤くんだ」
空き教室の扉を開け中に入ればそこには私、百戦錬磨の恋愛相談師、華園恋音が待っているのです。
「もしかして噂聞いて来たの?」
「えっ、う、うん」
今日のお客は、同じクラスの安藤くんだ。
「同じクラスだけど改めて。コホン、百戦錬磨の恋愛相談師はこの華園恋音のこと!恋に関することなら何でも、好きな人を落とす方法から、浮気調査、恋占いまでなんでもお任せ下さい!」
彼は不安そうな顔で疑り深く私を見ていた。まったく失礼なんだから……。
私は椅子から立ち上り彼に椅子に座るよう促す。
「どうぞ、どうぞ、前座って」
やや強引に私の向かいの席に彼を座らされると、私は話を続けた。
「それで安藤くんどう言った悩みで?」
椅子に座り直し、ぱっと机の上にメモ帳を取り出す。
「あっいやその」
「ここで聞いたこと他には絶対に他言しないよ。それに今まで私がここで恋愛相談をしていると噂になったことなかったでしょ?ここでは、ここで見たもの、聞いたことは他言厳禁だから。それなら安心して相談できるでしょ?」
そこまで聞くと彼は意を決して話始めた。
「そ、その。好きな人が居て。その人と付き合えたらなって」
「えー、安藤くんみたいな草食系イケメンでも振り向いて貰えないなんて相手は一体どんな……」
私は驚いたように少しおちょくるように言った。
「そ、その光離心夜さん、なんだ」
「あー、確かに心夜ちゃんはモテる割にすっごく鈍感だもんねーそりゃそうか。うんうん」
私は心底納得したように頷く。
光離心夜は、お下げ髪に眼鏡を掛けていて、この学園でも指折りの美少女、そして何より、私の自慢の親友だ。
「でも、安藤くんならイケるかも、イケメンだし」
「ほ、本当!?」
「うん、心夜ちゃんに気づいて貰えるようなアピールできれば……そこが難しいんだけど。ちょっと待って具体的な作戦考えるから」
私は心夜攻略のための作戦を考え始めた。彼はそれ黙って見ているようだった。
実は光離心夜に関する恋愛相談はこれで初めてではないのだ。0勝3敗、三回も相談を受けておきながらまだ一度も成功していない。これは百戦錬磨の恋愛相談師が聞いて呆れる失態。今回こそは絶対に成功させたいのである。
「出来た!」
十分くらい経った頃だろうか。漸く作戦がまとまった。
「待たせてごめんねー心夜ちゃんを落とす為の作戦出来たよ!じゃ明日から早速実行して行こう!」
「う、うん」
【作戦その一】 朝一番に声を掛け、服装や髪型など外見の変化を褒めてみよう!
翌日早朝、私は学園の校門前に来ていた。こっそりと安藤くん見守るためだ。
「お、おはよう!光離さん」
彼は勇気を出し登校して来た心夜に声を掛けた。
「お、おはようございます。えっと……安藤さんでしたよね。あっ間違ってたらす、すみません……」
心夜は不安そうな様子で言葉を返してくれているようだった。
「ぼ、僕の名前覚えててくれたんだ!あ、ありがとう。」
安藤くんの顔が緩みまくっている。
「と、当然です……同じクラスなんですから、それより、な、何か御用ですか?」
安藤くん、今絶対、「光離さんの困り顔かわいい」とか考えている。
「大したことじゃないんだ、その…………きょ、今日の眼鏡可愛いね!!」
「め、眼鏡ですか?あの昨日も一昨日も同じもの……ですけど……何か変だったりしてますか……?あうぅ」
安藤くん、やらかしまくっているよ。いつも掛けてる眼鏡に今日の眼鏡可愛いねなんて普通は怖いよ。
「ち、違うんだ!えっと、その今日の眼鏡がいつもより一際可愛くみ、見えたから……ア、アハハ」
苦しい、なんて苦しい言い訳なんだろう、安藤くん。正気?今、彼は正気なの?酷すぎる。誤魔化すため笑っているのだろうけど、笑顔が引き攣っているよ。かなり焦っているみたい。大丈夫かな。
「め、眼鏡がですか?……」
心夜は怪訝そうな顔をする。
「う、うん」
彼の額から冷や汗が尋常じゃないくらい出ている。そうだよね、「今日の眼鏡可愛いね」発言、よく考えたら半端なく気持ち悪いことに気づいちゃったよね。頑張って安藤くん!
「あの宜しければ。」
そう言うと心夜は眼鏡を外し、彼の方に両手の上に乗せた眼鏡を差し出してきた。
彼の顔は一瞬で緩みきった。「眼鏡外した顔も可愛い」なんて思っているのだろう。わかりやすいな安藤くん。
「あ、あの。この眼鏡差し上げます……。」
心夜は思い切ったような顔をして頭を下げる。
「えっそ、そんな悪いよ!」
「いえ、遠慮しないでください。この眼鏡が気に入ったのですよね?……でしたら眼鏡さんも安藤さんのような方に貰って頂いたほうがきっと嬉しいです。あう、もし要らなかったら捨てて頂いて結構ですので……あの私、この後委員会のお仕事があるのでもう行きますね……」
そう言うと心夜は彼の手を掴み手の上に眼鏡を乗せ校舎の方に足早に駆けていった。後ろ姿も可愛らしい。
校門の前には一つの眼鏡とそれを大事そうに持つ悲しい男が取り残されていた。
侮り難し、我が親友光離心夜。まぁ?別にまだ振られたわけじゃないし?まだ百戦錬磨の恋愛相談師本気を出してないだけだし!
「次は必ず落として見せる!百戦錬磨の恋愛相談師の名に懸けて!」
その噂とは放課後の東棟三階、一番奥の空き教室にはどんな恋のお願いも叶えてくれると言う百戦錬磨の恋愛相談師がいるという。
最初はそんな馬鹿な話あるのかと皆、半信半疑だったが最近では実際に叶えて貰った生徒が結構な数いるらしい。
ある者は片思いしていた相手と付き合えた。またある者は付き合っていた彼の三股を暴いて貰った。など様々。
ガラガラガラガラ____
「あっ、安藤くんだ」
空き教室の扉を開け中に入ればそこには私、百戦錬磨の恋愛相談師、華園恋音が待っているのです。
「もしかして噂聞いて来たの?」
「えっ、う、うん」
今日のお客は、同じクラスの安藤くんだ。
「同じクラスだけど改めて。コホン、百戦錬磨の恋愛相談師はこの華園恋音のこと!恋に関することなら何でも、好きな人を落とす方法から、浮気調査、恋占いまでなんでもお任せ下さい!」
彼は不安そうな顔で疑り深く私を見ていた。まったく失礼なんだから……。
私は椅子から立ち上り彼に椅子に座るよう促す。
「どうぞ、どうぞ、前座って」
やや強引に私の向かいの席に彼を座らされると、私は話を続けた。
「それで安藤くんどう言った悩みで?」
椅子に座り直し、ぱっと机の上にメモ帳を取り出す。
「あっいやその」
「ここで聞いたこと他には絶対に他言しないよ。それに今まで私がここで恋愛相談をしていると噂になったことなかったでしょ?ここでは、ここで見たもの、聞いたことは他言厳禁だから。それなら安心して相談できるでしょ?」
そこまで聞くと彼は意を決して話始めた。
「そ、その。好きな人が居て。その人と付き合えたらなって」
「えー、安藤くんみたいな草食系イケメンでも振り向いて貰えないなんて相手は一体どんな……」
私は驚いたように少しおちょくるように言った。
「そ、その光離心夜さん、なんだ」
「あー、確かに心夜ちゃんはモテる割にすっごく鈍感だもんねーそりゃそうか。うんうん」
私は心底納得したように頷く。
光離心夜は、お下げ髪に眼鏡を掛けていて、この学園でも指折りの美少女、そして何より、私の自慢の親友だ。
「でも、安藤くんならイケるかも、イケメンだし」
「ほ、本当!?」
「うん、心夜ちゃんに気づいて貰えるようなアピールできれば……そこが難しいんだけど。ちょっと待って具体的な作戦考えるから」
私は心夜攻略のための作戦を考え始めた。彼はそれ黙って見ているようだった。
実は光離心夜に関する恋愛相談はこれで初めてではないのだ。0勝3敗、三回も相談を受けておきながらまだ一度も成功していない。これは百戦錬磨の恋愛相談師が聞いて呆れる失態。今回こそは絶対に成功させたいのである。
「出来た!」
十分くらい経った頃だろうか。漸く作戦がまとまった。
「待たせてごめんねー心夜ちゃんを落とす為の作戦出来たよ!じゃ明日から早速実行して行こう!」
「う、うん」
【作戦その一】 朝一番に声を掛け、服装や髪型など外見の変化を褒めてみよう!
翌日早朝、私は学園の校門前に来ていた。こっそりと安藤くん見守るためだ。
「お、おはよう!光離さん」
彼は勇気を出し登校して来た心夜に声を掛けた。
「お、おはようございます。えっと……安藤さんでしたよね。あっ間違ってたらす、すみません……」
心夜は不安そうな様子で言葉を返してくれているようだった。
「ぼ、僕の名前覚えててくれたんだ!あ、ありがとう。」
安藤くんの顔が緩みまくっている。
「と、当然です……同じクラスなんですから、それより、な、何か御用ですか?」
安藤くん、今絶対、「光離さんの困り顔かわいい」とか考えている。
「大したことじゃないんだ、その…………きょ、今日の眼鏡可愛いね!!」
「め、眼鏡ですか?あの昨日も一昨日も同じもの……ですけど……何か変だったりしてますか……?あうぅ」
安藤くん、やらかしまくっているよ。いつも掛けてる眼鏡に今日の眼鏡可愛いねなんて普通は怖いよ。
「ち、違うんだ!えっと、その今日の眼鏡がいつもより一際可愛くみ、見えたから……ア、アハハ」
苦しい、なんて苦しい言い訳なんだろう、安藤くん。正気?今、彼は正気なの?酷すぎる。誤魔化すため笑っているのだろうけど、笑顔が引き攣っているよ。かなり焦っているみたい。大丈夫かな。
「め、眼鏡がですか?……」
心夜は怪訝そうな顔をする。
「う、うん」
彼の額から冷や汗が尋常じゃないくらい出ている。そうだよね、「今日の眼鏡可愛いね」発言、よく考えたら半端なく気持ち悪いことに気づいちゃったよね。頑張って安藤くん!
「あの宜しければ。」
そう言うと心夜は眼鏡を外し、彼の方に両手の上に乗せた眼鏡を差し出してきた。
彼の顔は一瞬で緩みきった。「眼鏡外した顔も可愛い」なんて思っているのだろう。わかりやすいな安藤くん。
「あ、あの。この眼鏡差し上げます……。」
心夜は思い切ったような顔をして頭を下げる。
「えっそ、そんな悪いよ!」
「いえ、遠慮しないでください。この眼鏡が気に入ったのですよね?……でしたら眼鏡さんも安藤さんのような方に貰って頂いたほうがきっと嬉しいです。あう、もし要らなかったら捨てて頂いて結構ですので……あの私、この後委員会のお仕事があるのでもう行きますね……」
そう言うと心夜は彼の手を掴み手の上に眼鏡を乗せ校舎の方に足早に駆けていった。後ろ姿も可愛らしい。
校門の前には一つの眼鏡とそれを大事そうに持つ悲しい男が取り残されていた。
侮り難し、我が親友光離心夜。まぁ?別にまだ振られたわけじゃないし?まだ百戦錬磨の恋愛相談師本気を出してないだけだし!
「次は必ず落として見せる!百戦錬磨の恋愛相談師の名に懸けて!」
