星空に願うと、甘い記憶が煌めく~あなたのそばに居たい~

「え、」

思わず声が漏れてしまい、朝の静けさのような中なので運転手さんの声しか聞こえない車内に響き渡る。慌てて口を塞いだが、男の子と目が合ってしまった。慌てて逸らしたもののすることがなくキーホルダーを見つめてるふりをして下を見る。

「あの。」

あの男の子の声だ。浅見君と話しているのかな?

「あの!」
「はい!」

目をつぶって視界をシャットダウンしていたから、感覚が過敏になっていて軽く肩を触られたのに飛び跳ねてしまった。

「あ、すみません。あの、もしかして、伊織の最近仲のいいお友達。ですか?」

目を開けて顔を上げて男の子を見た。仲のいいお友達?もし本当ならアイドルからファンサを貰ったような反応になってしまうが。違うよね?

「あれ、違いました?その猫のキーホルダーが好きな子って聞いたんですが。」
「おい!」

確かにあってるけど、本当にそうなの?!後ろにいる浅見君は顔は不機嫌そうだが耳は赤い。

「あ、えと、確かに好きですけど。」
「やっぱり!いやー、俺の感は当たった!よければお話しない?あ、敬語は無しで!」

浅見君の友達だからやっぱり敬語は無しがいいんだ。まあ私もその方が話しやすいけど。

「名前は?あ、俺は、相川 要(あいかわ かなめ)!」
「私は、安達 美優香。よろしく!」

相川君との話は浅見君と違う意味で楽しかった。私の学校も知っていて、他校と交流の多い乃愛のことも知っていた。浅見君と相川君の学校は西中学らしくて結構遠い。だから浅見君以外の同じ学校の子は見なかったんだ。そして今日は浅見君が話していた私と会いたくてわざわざ遠回りしてこのバスに乗っているらしい。

「いやー。伊織の言う通り話しやすいな!俺とも仲良くしてよ!」
「もちろん!」

手を差し伸ばされたため私も嬉しくて握り返す。いい人だな!笑顔も見ていて明るくなる。でも未だに浅見君の話は聞けてない。

「安達さんの話は伊織から聞いてたけど、伊織がこんなに仲良くするのは珍しいな。」
「え、そうなの?浅見君、優しいし、かっこいいから友達も恋人も居そうだけど……。」

思わず心の声が出てしまった。二人を見ると相川君は苦笑いをしていて、浅見君は何を考えているか分からない真顔。あれ、言ってはいけなかったかな。

「……いないよ。好きな人もできたことない。」

浅見君は本当に好きな人がいなさそうだけど、相川君の反応は触れられたくないような表情。まるで、浅見君は好きじゃないけど、浅見君のことを好きな女子から相談を受けている相川君。ぐらい真反対な二人の表情。

「安達さんは友達多そうだよね!どんな子と仲いいの?」

何とも言えないこの空気を断ち切ってくれた相川君には感謝して、話の波に乗る。

「私は、」


少し話していたらあっという間に時間が過ぎた。外を見るともうすぐ着きそう。

「安達さん。連絡先交換しない?」
「いいけど、」

スマホは今は持ってないし、メモも登校中なため受け取れない。と言うと、また今度、休日で一緒に遊ぼう!と誘われた。