浅見君に恋していると気づいた朝。こんなにバス停で待っている時に緊張するのは今日が初めて。頭が浅見君でいっぱいなため、何も手につかず、ボーっとバスを待つ。
「来た。」
地に足が付いてないかのようなふわふわした気持ちで乗る。
「おはよう。」
目が合うと、私より珍しく先に挨拶をしてきてしかも、あの満面の笑み。周りの人も数人、見ている。いや、惚れるよね。分かる。ってか逆にこうなるから今まで作った笑みだったのかな?
「……おはよう、」
なんとなく気まずいけど、違う席に座ったら私の気持ちにバレてしまうと思って深呼吸を軽くしてから隣に座る。
「……朝起きて一番に声を聞けて良かった。」
前とは少し距離を空けて座っていると、浅見君は急に近づいてきて耳元で囁く。いや、ダメでしょ!こんなイケボで囁き声は私の耳が悲鳴を上げているし、顔も一気に熱くなった。
「安達さん?」
「あ、うん、私も嬉しかった!…でも、もうちょっとだけ距離、……、」
顔を隠しながら伝えると、浅見君は気づかなかったのか、ハッとした様子で、離れていく。
「ごめん。なんか、今、安達さんとの距離がつかめなくて。」
段々小さくなっていく声に思わず顔を上げると、珍しく耳が赤かった。もしかして、浅見君も私の事。いや、この反応だともう少しで気づいてくれるかな。待つのも大事。
「大丈夫!びっくりしただけで、……嬉しい。」
「!」
お互い恥ずかしくなって違う方向を向いて顔を仰いでいる。ああ、浅見君と両想いになれたら、幸せだし、今から出会った時に戻ることはないだろう。……無い、よね?
「はあ。」
「だから大丈夫だって。きっと彼も何気なくしてただけよ。」
教室に入ると、恋する乙女の一人目の私は幸せでルンルンだけど、二人目の乃愛は机に頬杖をついてボーっと遠くを見ている。近くにいた日和も育児に疲れたお母さんのようなので私は嬉しい気持ちを隠して近寄る。
「どうしたの?」
「……気になってる彼が私にもたまにしか見せない本当の笑顔で別の女の子と笑いあってた……。」
あちゃーっと頭に手を置いて、少し悩んでから近寄って背中をさする。
「大丈夫だよ。だってプレゼントも受け取ってもらったんでしょ?」
「……それは別に恋してなくても受け取るでしょ。」
「……あ、その笑顔で乃愛にも笑いかけてくれたんでしょ?」
「……一瞬だけね。あの子にはずっとだった。」
はい。もうだめだ。完全にいじけてる。私は離れて日和に近づいた。
「……乃愛の言ってることは本当なの?」
「うん。本当。でも乃愛は本当の笑みで。って言ってたけど、
傍から見たら乃愛と話している時が一番幸せそうで、気づかないうちに本当に嬉しそうにしてた。まあ今言ってもダメだったけど。」
乃愛の悩み、私に似てる。私も浅見君のあの笑みを見せてもらえなかった時の気持ちと一緒。
とりあえず、そんなお手上げ状態の乃愛は放っておいて冬弥たちに近づく。
「乃愛、大丈夫そうか?」
「恋する乙女は大変なんだろ。」
嫉妬を込めて心配してる透を見て冬弥は応援するように肩に手を置いて軽く叩いている。
「ってか乃愛って本当に恋愛大好きだよな。一個前は彼女持ちを好きになって即失恋。確か、一番最初は、」
「足が速いリーダー系の男の子。だけど、お母さん大好きで入る隙間がなく、失恋。だった。」
「よく覚えてんな。」
私が答えを出すと、透が感心してくれた。でも、そんなに記憶力良い方ではないはず。
「逆に覚えてないの?」
「俺はだめだな。ゲーム以外。」
「そっかー。」
そんな話をしていると冬弥が近づいてくる。
「……記憶とは儚いもの。もし記憶のことで迷うことがあったらいつでも話聞くよ。」
「え?」
小さな声で一言アドバイスのように囁き、また離れていった。その顔はまるで未来起こることを見据えたようで、頼りになるぐらい真剣な顔だった。
「あと二か月で卒業式で、ついに私たちも最高学年なんだね!」
次の日バスに乗ると照れや、胸のうるさいのを隠すように話しかける。
「……そうだね。」
「?」
どこか上の空のような浅見君はいつも以上に話さない。
「悩み事?相談なら乗るよ?」
「……ありがとう。少し考える。」
覚悟を決めたようなのにほんのりと耳が赤いのはなぜか。まあ相談されるまで待とう。
「?なんだろう。」
家に帰ってスマホを開くと、浅見君から連絡が来ていた。
『明日バスで話したいことがある。』
浅見君にしては珍しく、絵文字も、スタンプもなく、一言、文が送られてきた。なんだろう。もしかして今朝言ってた悩み事かな?内容が気になりその日は中々寝付けなかった。
「あれ?」
次の日の朝、私は浅見君のことが気になり、寝不足で寝坊しかけた。家を出る直前でそういえばモーニングコール来てないなと思ったがいつものバスの時間ギリギリなため、どうせバスで会えるし!と私からも電話しなかった。
「おはよう!」
なるべく元気に、どんな相談が来ても受け止められるように笑顔でバスに乗った。
「おは、!」
「!大丈夫?!」
私の顔を見た瞬間に浅見君は頭を抱える。少しだけ声を漏らし苦しそう。不安になり駆け寄り、声をかけながら背中を撫でる。
「ごめん。ありがとう。」
「ううん。もう平気?」
少しの間、悶えていたが、後遺症は無いようですぐに無表情に戻った。
「そういえば、相談って何?なんかあった?」
痛みは治まったみたいだけど表情が暗い。悩み事が辛いのかな?なら早く言ったほうがいいよね。と急かしてないけどと補足して聞く。
「?何の話?」
「え、」
聞かれたくなかったのかな?でも昨日言ってたし。なんだろう。そう思い顔を見ると、
前に見た、人が変わったような冷たい表情でボーっとしていた。
「来た。」
地に足が付いてないかのようなふわふわした気持ちで乗る。
「おはよう。」
目が合うと、私より珍しく先に挨拶をしてきてしかも、あの満面の笑み。周りの人も数人、見ている。いや、惚れるよね。分かる。ってか逆にこうなるから今まで作った笑みだったのかな?
「……おはよう、」
なんとなく気まずいけど、違う席に座ったら私の気持ちにバレてしまうと思って深呼吸を軽くしてから隣に座る。
「……朝起きて一番に声を聞けて良かった。」
前とは少し距離を空けて座っていると、浅見君は急に近づいてきて耳元で囁く。いや、ダメでしょ!こんなイケボで囁き声は私の耳が悲鳴を上げているし、顔も一気に熱くなった。
「安達さん?」
「あ、うん、私も嬉しかった!…でも、もうちょっとだけ距離、……、」
顔を隠しながら伝えると、浅見君は気づかなかったのか、ハッとした様子で、離れていく。
「ごめん。なんか、今、安達さんとの距離がつかめなくて。」
段々小さくなっていく声に思わず顔を上げると、珍しく耳が赤かった。もしかして、浅見君も私の事。いや、この反応だともう少しで気づいてくれるかな。待つのも大事。
「大丈夫!びっくりしただけで、……嬉しい。」
「!」
お互い恥ずかしくなって違う方向を向いて顔を仰いでいる。ああ、浅見君と両想いになれたら、幸せだし、今から出会った時に戻ることはないだろう。……無い、よね?
「はあ。」
「だから大丈夫だって。きっと彼も何気なくしてただけよ。」
教室に入ると、恋する乙女の一人目の私は幸せでルンルンだけど、二人目の乃愛は机に頬杖をついてボーっと遠くを見ている。近くにいた日和も育児に疲れたお母さんのようなので私は嬉しい気持ちを隠して近寄る。
「どうしたの?」
「……気になってる彼が私にもたまにしか見せない本当の笑顔で別の女の子と笑いあってた……。」
あちゃーっと頭に手を置いて、少し悩んでから近寄って背中をさする。
「大丈夫だよ。だってプレゼントも受け取ってもらったんでしょ?」
「……それは別に恋してなくても受け取るでしょ。」
「……あ、その笑顔で乃愛にも笑いかけてくれたんでしょ?」
「……一瞬だけね。あの子にはずっとだった。」
はい。もうだめだ。完全にいじけてる。私は離れて日和に近づいた。
「……乃愛の言ってることは本当なの?」
「うん。本当。でも乃愛は本当の笑みで。って言ってたけど、
傍から見たら乃愛と話している時が一番幸せそうで、気づかないうちに本当に嬉しそうにしてた。まあ今言ってもダメだったけど。」
乃愛の悩み、私に似てる。私も浅見君のあの笑みを見せてもらえなかった時の気持ちと一緒。
とりあえず、そんなお手上げ状態の乃愛は放っておいて冬弥たちに近づく。
「乃愛、大丈夫そうか?」
「恋する乙女は大変なんだろ。」
嫉妬を込めて心配してる透を見て冬弥は応援するように肩に手を置いて軽く叩いている。
「ってか乃愛って本当に恋愛大好きだよな。一個前は彼女持ちを好きになって即失恋。確か、一番最初は、」
「足が速いリーダー系の男の子。だけど、お母さん大好きで入る隙間がなく、失恋。だった。」
「よく覚えてんな。」
私が答えを出すと、透が感心してくれた。でも、そんなに記憶力良い方ではないはず。
「逆に覚えてないの?」
「俺はだめだな。ゲーム以外。」
「そっかー。」
そんな話をしていると冬弥が近づいてくる。
「……記憶とは儚いもの。もし記憶のことで迷うことがあったらいつでも話聞くよ。」
「え?」
小さな声で一言アドバイスのように囁き、また離れていった。その顔はまるで未来起こることを見据えたようで、頼りになるぐらい真剣な顔だった。
「あと二か月で卒業式で、ついに私たちも最高学年なんだね!」
次の日バスに乗ると照れや、胸のうるさいのを隠すように話しかける。
「……そうだね。」
「?」
どこか上の空のような浅見君はいつも以上に話さない。
「悩み事?相談なら乗るよ?」
「……ありがとう。少し考える。」
覚悟を決めたようなのにほんのりと耳が赤いのはなぜか。まあ相談されるまで待とう。
「?なんだろう。」
家に帰ってスマホを開くと、浅見君から連絡が来ていた。
『明日バスで話したいことがある。』
浅見君にしては珍しく、絵文字も、スタンプもなく、一言、文が送られてきた。なんだろう。もしかして今朝言ってた悩み事かな?内容が気になりその日は中々寝付けなかった。
「あれ?」
次の日の朝、私は浅見君のことが気になり、寝不足で寝坊しかけた。家を出る直前でそういえばモーニングコール来てないなと思ったがいつものバスの時間ギリギリなため、どうせバスで会えるし!と私からも電話しなかった。
「おはよう!」
なるべく元気に、どんな相談が来ても受け止められるように笑顔でバスに乗った。
「おは、!」
「!大丈夫?!」
私の顔を見た瞬間に浅見君は頭を抱える。少しだけ声を漏らし苦しそう。不安になり駆け寄り、声をかけながら背中を撫でる。
「ごめん。ありがとう。」
「ううん。もう平気?」
少しの間、悶えていたが、後遺症は無いようですぐに無表情に戻った。
「そういえば、相談って何?なんかあった?」
痛みは治まったみたいだけど表情が暗い。悩み事が辛いのかな?なら早く言ったほうがいいよね。と急かしてないけどと補足して聞く。
「?何の話?」
「え、」
聞かれたくなかったのかな?でも昨日言ってたし。なんだろう。そう思い顔を見ると、
前に見た、人が変わったような冷たい表情でボーっとしていた。


