※確認用

 でもゴミだらけの姿に、静かに怒りがわいた。
 やっぱりまだこの世の中は、醜いものがたくさんある。こういう捨て猫やいじめ、虐待などがある。それは私たち・人間が行なったこと。
―――つまり人間のせいでこんな醜い世の中になってしまったのだ。
もし、一人でも醜いことをしない人がいるのなら、世界は光り輝く、平和な世の中になっていたのだろうか。
 その時、後ろに気配を感じた。
「……誰?」
 振り向くと、そこには人らしき影が映っていた。フードをかぶっているし、暗くてよく見えない。
 私は小型ナイフを持って、おそるおそる近くに行った。
「……。」
 その陰は私がナイフを持って近づいても何も動じなかった。
「…何を見ている?」
 私は首元にナイフを近づけて、静かに冷静に問いかけた。
 その人は何も動じずに、ただ私を見つめている。
 このナイフが偽物だと思っているのだろうか。それとも、私がこの人に危害を加えないとでも思っている?
 冷たい雪が私の頬にかかって、私は少しずつ濡れていく。
 なんなの。この人…。
 だけど、こういう時こそ冷静さは忘れてはならない。命に関わる。
 私は一度深呼吸をして、気持ちを落ち着かせた。
 この人、本当に何者……?
「……ただの通りすがりだ。」
 その時、今まで感じたことのない不思議な雰囲気だった。
 ナイフを目の前にしているというのに、凛と声が響くような感じ。
 二人でしんと黙る。
 お互いに心を探っているようだった。
 この人、やっぱり何か異様だ。心の奥まで見透かされているような感覚だった。
「…じゃあ。」
 そう言って何もなかったかのようにどこかへ行く姿に、動揺した。
 私はナイフを持って脅したのに、何も動じずに無傷で帰るって……。
 私が追いかけようとすると「にゃー。」と胸から聞こえてきて視線を向けると、そこにはさっきの猫がいた。