「ノートの真ん中にあるのが、俺らが基本的に過ごす場所ね。家で言うならリビングだな」
「じゃあ、リビングの中にあるこの小さな長方形と丸いのは?」
「それは本棚。ランドセル置き場でもいいけど…で、あとはテーブルと…外にあるのはベンチな」
樹が図形に文字を書き加えたことで、グッとイメージがしやすくなった。
「おお…!」とぼくの口から感心しきった声がもれる。
すごい…今までで一番マトモな具体案だ。
辺りを見ると甘太郎と一もキラキラとした目で樹を見ている。
これはもう決定でいいんじゃないだろうか。
あとは樹の作ってくれたこの設計図を元に作っていけば、おのずとぼくらの秘密基地が完成して___。
「で、ちょうどいい場所があればハンモックも作りたい」
「へぇ、そんなのも作れるんだ」
「いいですね、ハンモックに揺られながらゆったりと過ごせるなんて優雅です…!」
ぼくと一の頭の中にその光景が浮かぶ。
うん…なんだかオシャレになってきたんじゃないか?
「あとは…そうだな」
「おお…まだいい案があるの?」
ぼくの言葉に頷く樹。
さすがは大工の孫…こう、物作りへの熱意みたいなものがぼくらよりも豊かだ。
樹はノートにエンピツを走らせ、書き終わるなり再びぼくらへとノートを広げて見せた。
一と甘太郎がはしゃいだ様子で声を上げる。
「今度は段々になった長方形に…わぁ、リビングの上に大きな丸がありますね!」
「なぁなぁ樹!これは何なんだ!?」
ぼくらが期待の眼差しを送る中、少しだけ照れくさそうに樹が口を開いた。



