ぼくたちのひみつきち


ようやくぼくが落ち着きを取り戻したころ、タイミングを見計らって一が口を開いた。


「これで運転手の問題はクリアですね!ご検討よろしくお願いします!」


「…あ、うん…考えとく」


疲労感を感じながらそれだけ返す。

小回り利かないだろうしリムジンは論外としても、物を運ぶときに軽トラックぐらいならあったら便利かもしれない。

問題があるとすれば十院家にそんな庶民じみた車があるかどうか、なんだけど。

考えていたらなんだか頭が痛くなってきた…。

まだ秘密基地の場所しか決まっていないのに、さすがにこれではいけないだろう。

ぼくは最後の頼みの綱へと視線を向けた。


「樹…なにか秘密基地っぽい、いい案はないか?」


「ん?俺のターン?これボケた方がいいやつ?」


「何もない裏山で無駄に時間を浪費することになってもいいのならね」


「んーーー、そうだなぁ…」


樹はイスの背もたれに体重を預けて天井を見上げる。

それから机に置いてあったぼくのノートとエンピツを自分の方へ手繰り寄せ、なにかを書き始めた。


『…?』


ぼくらはしばし3人でその様子を大人しく見守る。


「ふぅ…まあこんなもんだろう」


一息ついて樹はぼくらへノートを見せた。

そこには丸や四角などの図形が記されていて、ぼくたちは顔を見合わせて首をかしげる。

それを見て樹は図を一つずつ指し示しながら詳しく説明をしだした。