「うわぁ、悪ぃ!いつものクセでやっちまった!」
「…“いつものクセで”って…どういうことだ?」
ぼくが聞くと甘太郎が少しだけ恥ずかしそうにほっぺたをかいた。
「いや、ババ抜きしてると妹が言うんだよ。“ババさんいつも1人ぼっちでかわいそう”って…だからウチでババ抜きをやるときは、2枚入れてるんだ」
その言葉で納得した。
だから今回もババ…ジョーカーを2枚入れたままにしちゃったのか。
「へぇ…妹ちゃんもお前も優しいじゃん」
樹の言葉に甘太郎が笑う。
「へへっ…そのせいで妹とのババ抜きは全部のカードがペアになって終わるから、勝敗がつかないんだけどな」
「いいんじゃないか?誰もさみしくない…すごく平和な終わり方じゃん、それ」
「そうですね、きっとジョーカーも喜んでいると思います」
ぼくと一がそう言って、テントの中に4人分の笑い声が響き渡った。
「さ、さて!次は何やる!?」
妹思いな甘太郎が場を仕切り直すように声を張り上げる。
その様子をニヤニヤと見つめながら、ぼくらはトランプを使ったゲームの名前を口にしていった。
「神経衰弱とかは?あと七並べとか…」
「時間を使いそうなのっていえば、あとは___」
「お取り込み中のところ、すみません」
『ぎゃあッッ!!?』
閉め切ったテントの向こうから突然と聞こえてきた低い声に全員で飛び上がる!



