「オレがカード配る!貸してくれ栄助!」
「それはいいけど…これまだ使った事ないやつだから、しっかりシャッフルしてね」
「任せとけって!」
カードを受け取った甘太郎がテキパキとシャッフルをしていく。
「よく妹とやるからお手の物ってな!」
「そういえば…2年生に妹がいるんだっけ?」
ぼくが言うと甘太郎が「おう!」と頷いた。
だからシャッフルの仕方とかこなれているのか。
普段ぼくらの前ではお調子者だから、あまり想像できないけれど…ちゃんと“お兄ちゃん”してるんだな。
「それじゃあ配っていくぜ」
4人分の手札が配られ、ぼくらはそれを手に取る。
そしてペアになった数字同士をそれぞれが下へはけていく。
「こっちは準備完了っと」
「僕も終わりました」
次々と用意が終わり、ついにババ抜きが始まった。
甘太郎、一、樹、ぼくの順番で1枚ずつ隣り合った相手のカードを選び取っていく。
「…あれ?」
皆が黙々と進めていたけれど、途中で僕が声をあげたことでゲームが中断された。
「どうした?栄助」
甘太郎から声をかけられた。
ぼくは彼を見つめてこう言い放つ。
「甘太郎、お前ジョーカー1枚抜き忘れただろ」
ぼくは皆に自分の手札を見せる。
そこには2枚のジョーカーがあった。
ババ抜きでジョーカーがペアになるってどういうことだよ…。
甘太郎がそれを見て「げっ…」と頭に手をやった。



