「うわ、うまそう!」
「まだ中身すら見てないだろ…でもぼくらだけでいいのかな?こんな豪勢なもの食べて…」
「あはは、気にしないでください。…あと3セットもあるので」
『1人1セット!?』
それは作りすぎじゃないかな!?
普通のお弁当ならまだしも重箱4人分は色々重い!!
「と…とりあえず1人分だけ食べていこうか…」
ぼくが言うと、ちょうど作業を終えたらしい樹が小さな丸テーブル片手に戻ってきた。
「食うなら早速コレ使うか?」
どうやら会話は外にも聞こえていたらしい。
テントの真ん中にテーブルが置かれ、内部の秘密基地感がさらに増していく。
「あ、じゃあさ!一の弁当と一緒に、ウチのケーキも食っちゃおうぜ!秘密基地の完成記念だ!」
「えっ…食べきれるかな?」
甘太郎の言葉にぼくは目をぱちくりとさせる。
「大丈夫だって!ほら、甘いのとしょっぱいのはいくらでも往復できるっていうじゃん!」
「まぁ…そういうけど」
「だろ?安心しろって!ケーキもそんな大きなもんじゃねぇだろうし___」
箱の中身を確認した甘太郎が、パタリと動きを止める。
「…ん?どうしたの?」
ぼくが聞くと、テーブルの上にケーキの箱が置かれた。
3人でそっと中を覗くと…そこには。
『……ホ、ホールケーキ……』
「…悪い、皆…」
その日…。
秘密基地が完成した日。
ぼくらは必死になって重箱弁当とホールケーキを胃袋に収めた。
ちなみに残った3セットの重箱は一以外の3人で持ち帰り、その日の夕飯となった。



