「なんにせよ、作るっていうなら大まかな“案”が必要じゃない?」
「案…つまりこの場合だと設計図ですか?」
「うん、そう」
そう言ってぼく…村上 栄助はランドセルからノートを取り出した。
パラパラとページをめくり、なにも書いてない部分を開いて机の上に置く。
ふでばこから鉛筆を取り出して、見開きのノートの上部にざかざかとタイトルを書いた。
“ぼくたちの ひみつきち”とだけ書かれたノートを見て、甘太郎が目を輝かせる。
「おお、良いじゃん!それっぽくなってきた!」
「まだ始まってすらいないけどね…それで、甘太郎はどんな秘密基地を作りたいの?」
ぼくの問いかけに甘太郎は腕を組み、「うーん…ちょっと待っててくれよ…」と考え始めた。
いや待て…そこの言いだしっぺ。
まだ内容すら決まってなかったのかよ…。
一と樹もぼくと同じことを考えたらしく、二人ともジトリとした目つきで彼に視線を送っていた。
それに気づくことなく、やがて熟考したのち大きく頷いた甘太郎が口を開く。
「よし、バンジージャンプしようぜ!」
「いや秘密基地どこいった!?」
予想すらしていなかった言葉に思わずツッコむ。
甘太郎は「まあ、聞けよ」とぼくを落ち着かせるように手で制した。



