「よいしょっと…」
樹が自らのリュックをゴソゴソとあさる。
「どうしたの?」
「ミニテーブルの材料だけ持ってきてるから、今のうちに作っとくわ」
そう言って用意していたらしい木材とネジ、ハンマーを持ってテントから出ていく樹。
やがて外からリズムよくネジを打ち込む音が聞こえてきた。
「面白そうだからオレも手伝ってくる!」
「やめておけ、お前は絶対に足手まといになるから」
飛び出していこうとする甘太郎の服をむんずと掴んで止める。
こういうのは慣れてるやつに任せるべきだ。
適材適所というやつ。
しょんぼりと肩を落とす甘太郎を見て一が苦笑していた。
それから樹が戻ってくるまでの間、3人で持ち寄った物を見せ合う。
ぼくの持ってきた人数分の飲み物とトランプ、甘太郎が持ってきた漫画や懐中電灯…中でも驚いたのは一のリュックの中身だ。
「えっ…これ、重箱…!?」
「お母様が皆で食べてほしいって、十院家の専属コックたちに作らせたようで…」
お正月とかでしか見たことのない3段重ねの立派な重箱が、いかにも高級そうな布に包まれている。



