「…行くか」
「そうだな」
のそのそと足を動かして移動するぼくたち。
会話もそこそこに、4人で裏山を目指して出発した。
なんかすでに、ぼくだけ精神面がすり減っているような気がするけど…そこは気にしないことにする。
「…おっ、なんだこの道!」
道中、あてもなく歩いていると甘太郎が細い獣道を見つけて声を上げた。
裏山の入り口から歩いて10分くらいの場所。
草木に囲まれて道幅こそ狭いが、ぼくらの体ならまだ余裕で通れそうだ。
「よし、この道の先にテントを張ろうぜ!」
ワクワクとした気持ちを抑えられない…といった様子で甘太郎が声を弾ませる。
面白そうだとぼくたちもそれに賛同し、全員で獣道を進んだ。
そして鬱蒼とした道を抜けた先には…1本の大きな木があった。
辺りには他の木々も無く、頭上には青い空が広がっている。
「めっちゃ良い場所じゃん」
樹の呟きにぼくも頷く。
「うん…秘密基地って感じがする」
「風も爽やかで、気持ちが良いですね…」
すぅはぁと一が深呼吸する隣で、甘太郎が得意気に胸を張った。
「へへ~、オレの勘が働いたおかげだな!」
「その通りだけど調子に乗るな!」
「うわ、くすぐったい!」
肘で甘太郎の脇腹をつつく。
思わぬ穴場を見つけたぼくたちのテンションはすでに爆上がりだった。



