その正体は大きなリュックを背負った一だった。
ぼくのいる場所までやって来た彼は、ぜぇはぁと息を乱していて…ひたいからは汗を流している。
「はぁ…す、すみません…遅くなっちゃって…!」
「あと2人も来てないからそれは別にいいけど…遅れたから全力疾走してきてくれたの?だとしたらそこまで気にしなくてよかったのに」
小さく笑みを浮かべながら言う。
それに対し一は、「それが…」と言葉を続けた。
「僕…さっきまで追われていて…」
「え!?」
ぼくは思わず身構える。
追われていたって…まさか、本当に何かしらの事件に巻き込まれそうになっていたのか…!?
だとすれば、まだ辺りに犯人がいる可能性も___。
「大丈夫か、一!なんなら今から近くの交番に…!」
「あ、いえ、追ってきたのはウチのボディーガードたちなんですけど…」
「身内かよっ!!」
犯人の正体にドッと全身の力が抜けていく!
心配して損した!!でも安心した!!
一がズボンのポケットからハンカチを取り出し、自身の汗を拭う。
「ここに来るまで大変だったんです…!1人で出かけるのは危ないって心配したお母様が、ボディーガードを10人もつけるから目立って目立って…」
「あぁー…」
それは…確かに目立つだろう。



