ぼくの怒りに、樹は気まずそうに視線を逸らしながらノートで顔を隠した。
「い…いや、別によくね?」
「なにがいいんだよ!最終的に秘密基地の内容ほぼ決まらなかったのに___」
ぼくがそう言いかけたとき、樹が不思議そうに首をかしげた。
「いや、決まったじゃん」
……は?
思いがけない樹の言葉に黙るぼく。
同じように理解できていない甘太郎と一を見回しながら、樹は声を発した。
「え…だからさ、裏山のどこかに俺らがくつろげる空間があればいいんだろ?」
「…そう、だね」
確かに。
それさえ作ることができれば、秘密基地はほぼ完成といってもいいくらいだ。
「ほら、つまりはさっき俺が言った…リビングの部分を作れば終わりじゃん?あとは多少の雨風もしのげる場所で、4人でのびのび過ごせる所」
「そうだけど…でも、それなら必要な材料や組み立て方とか…やっぱりちゃんとした、ある程度の設計図がいるじゃないか」
そうぼくが言うと、樹は「いや、いらない」と首を振る。
頭に“?”を浮かべるぼくたちに、樹が言い放った。
「お前らさ…テントって持ってる?それ置いとけば秘密基地、完成じゃね?」
そんな樹の提案に。
ぼくらは顔を見合わせ…大きく頷いた。
『探してくる(きます)』
こうしてぼくらの秘密基地作りは、一気に完成へと近づいた。
……………。
いや、これでいいんだろうか……?



