「秘密基地を作ろうぜ!」
ぼくらが顔を上げたのは、リーダー格の実咲 甘太郎の一言がきっかけだった。
「作るって…どこにだよ」
ぼくがそう言うと、視界の端で手が上がった。
「僕の家で良ければ、使っていない部屋がありますよ」
確かに、お金持ちの一人息子である十院 一…彼の家なら簡単に秘密基地が作れてしまうだろう。
…秘密かどうかはさておき。
けれどその申し出に、甘太郎は首を横に振った。
「そうじゃなくて、作るんだよ!自分達で!」
___作る。
その言葉に反応したのは、大工を祖父にもつ大宮 樹だった。
「つまり足場を組んで土台から作っていくってことか?」
「いや家でも作ろうとしてる!?そこまで本格的なのは作んねーよ!」
「なんだ…つまんねーの…」
甘太郎に言われて樹が口をとがらせる。
まあ、現在12歳の小学6年生であるぼくらが作れるものなんてたかが知れてるだろう。
そう思い、ぼくは口を開いた。



